金剛頂寺(四国八十八ヶ所霊場第26番札所)

高知県室戸市の金剛頂寺(四国八十八ヶ所霊場第26番札所)は、空海が若い頃に修行をした地で、807(大同2)年、嵯峨天皇の勅願により空海(弘法大師)が開基したと伝わる古刹。東寺と呼ばれる最御崎寺(第24番札所)に対して西寺と呼ばれています。近世まで真言道場として栄え、明治時代までは女人禁制の寺となっていました。

空海が追い払ったという天狗伝説が残る寺

中世には寺領3500石を有する大寺院として栄え、藩政時代には代々の藩主からも信仰を集めて立派な伽藍が整えられましたが、明治32年に焼失。
現在の堂宇はそれ以降の再建となります。

本堂に安置される本尊は空海自刻と伝わる薬師如来で秘仏。
毎年、12月31日〜翌1月8日に御開帳されています。

本堂横には正倉院様式の霊宝殿があり、安置される本造阿弥陀如来像は平安末期の寄木造りで、国の重要文化財。
鎌倉時代の板彫真言八祖像八面、朝鮮高麗時代の銅鐘、白鳳時代の作という銅像観音菩薩立像など多数の重要文化財が保管されています。
平安時代に空海が各地を旅したときの「金銅旅壇具」は、空海ゆかりの唯一の品といわれています。

大師堂の横にある「一粒万倍の釜」は、空海が3合3勺の米を入れて炊いたところ、万倍にも増えたという伝説の釜。

平安時代には現在の室戸市の市域の大部分が寺領だったという寺で、空海の天狗伝説が残されています。
大師堂が西向きなのは、空海(弘法大師)が悪さをする天狗を足摺から西の地へと追い払ったあと、西向きの堂を建て、大師像が足摺方面を見張るようにしたからとか。

なお、女人禁制の時代には、女性は行当岬の不動堂から遙拝していました。

霊場間の距離・時間

25番札所・津照寺(高知県室戸市室津) — (5km/15分) — 26番札所・金剛頂寺(高知県室戸市元乙) — (33km/1時間30分) — 27番札所・神峯寺(高知県安芸郡安田町唐浜)

金剛頂寺(四国八十八ヶ所霊場第26番札所)
名称 金剛頂寺(四国八十八ヶ所霊場第26番札所)/こんごうちょうじ
Temple 26: Kongochoji
所在地 高知県室戸市元乙523
関連HP 四国八十八ヶ所霊場会公式ホームページ
電車・バスで 土佐くろしお鉄道後免奈半利線奈半利駅から東部交通バス甲浦行きで30分、元橋下車、徒歩30分
ドライブで 高知自動車道南国ICから約73km。神戸淡路鳴門自動車道鳴門ICから約138km
駐車場 20台/有料
問い合わせ 金剛頂寺 TEL:0887-23-0026/FAX:0887-23-0726
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。


取材・画像協力/(公財)高知県観光コンベンション協会

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