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大沢池

大沢池

大覚寺の境内、東に広がる国の名勝に指定の大沢池。もとは嵯峨天皇の離宮嵯峨院に築かれた旧苑池。嵯峨天皇(786〜842年)は、律令制を固め、唐風文化を興隆させた天皇。池は唐の洞庭湖に模して造られ庭湖とも呼ばれています。月が出る南東の丘陵斜面に堰堤を築き、北側の名古曽の滝の水が池に注がれる構造。

王朝の舟遊びがしのばれる風雅な池

護摩堂と石仏群
大沢池と大覚寺を隔てる門

周囲約1kmの日本最古の人工の林泉、大沢池は、アングルによっては江戸以前と変わらぬ景観のため、大覚寺とともに時代劇に重宝されるロケ地になっています。

大沢池には天神島、菊ケ島と庭湖石があり、この二島一石の配置は、大覚寺で生まれた華道「嵯峨御流」の基本型に通じているのです。

「滝の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ」と藤原公任(ふじわらのきんとう)によって百人一首に詠まれた名古曽の滝(なこそのたき)は今は枯れ、現在は有栖川から取水しています。

この歌は、長保元年(999年)9月12日、藤原道長に伴って、大覚寺の滝殿を遊覧した際に詠んだ歌(早朝中将と同車し、左府=道長に詣づ。左府、野望す。/藤原行成の日記『権記』)。
この時代にはすでに滝は枯れており、昔日を偲んで歌ったもの。

名古曽の滝は、『今昔物語』では百済川成が作庭したものと伝えられています。
大沢池のほとりに建つ赤い多宝塔は、昭和42年に、嵯峨天皇心経写経1150年を記念して建立された心経宝塔(しんぎょうほうとう)です。

池の畔に建つ茶室「望雲亭」は、昭和50年の再建。

嵯峨天皇が大沢池で、中秋の名月に舟を浮かべて遊んだという故事から、中秋の名月には『観月の夕べ』が行なわれています。
勅使門前舟券売場で15:00頃から「舟券」が販売され、17時台、18時台、19時台、20時台から選択して購入する仕組み。

紅葉シーズンの11月上旬~12月上旬には、夜間特別拝観『真紅の水鏡』も行なわれています。
放生池の水面に映し出される心経宝塔の美しさは、心が洗われるほど。

大沢池
名称 大沢池/おおさわいけ
Osawaike Pond
所在地 京都府京都市右京区嵯峨大沢町4
関連HP 大覚寺公式ホームページ
電車・バスで JR嵯峨嵐山駅から徒歩15分。またはJR京都駅から市バスで53分、大覚寺下車、徒歩2分
ドライブで 名神高速道路京都南ICから約13km
駐車場 大覚寺参拝者駐車場(35台/有料)
問い合わせ 大覚寺 TEL:075-871-0071
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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