京都府与謝郡伊根町、ブリ漁で知られる京都府随一の漁港、伊根。明治13年~昭和25年にはブリ景気で湧いた港町で、「伊根の舟屋」として知られる独特な景観の家並み(310.2ha、東西2650m、南北1700m)は、伊根町伊根浦伝統的建造物群保存地区に指定されています。
「伊根の舟屋」として知られる港町は重伝建に選定
伊根の漁港を取り囲むように建つ舟屋は現在230軒ほど(重伝建に選定の舟屋は113)。
舟屋とは1階が船倉で、2階が住居となっているこの地方独特の2階建ての家で、東西、北側の三方を山に囲まれた天然の良港・伊根湾は、波静かで潮の干満差が少なく、急に海が深くなっているという特性から、家屋のなかに船を収納する舟屋が誕生したのです。
湾から船を直接引き入れるために、湾に接した1階基部に石敷の斜路を設け、船を格納。
1階の上部は網を干し、漁具などの収納スペースになっています。
2階部分は居室とするものが多く、典型的な舟屋はこの2階建てです。
舟屋と主屋などからなる江戸末期から昭和初期にかけての町並みは、海沿いに細長く形成。
湾内に浮かぶ青島、そして伊根湾を囲む魚付林という環境に支えられ、伊根独特の歴史的景観を残しています。
山側に建つ社寺、点在する石垣、祠、井戸などを含め集落全体、310.2haが国の重要伝統的建造物群保存地区に指定。
指定区域の広さは、長野県の妻籠宿(1245.4ha)に次ぐ広さを誇り、伝統的な漁村風景が広範囲に残されていることがよくわかります。
舟屋のなかには宿泊施設としても営業している所もあり、海釣りの人だけでなく、旅行者にも人気。
舟屋見物は、日出桟橋(ひでさんばし)から出航する丹後海陸交通(阪神阪急東宝グループ)の「伊根湾めぐり遊覧船」もおすすめです。
映画『男はつらいよ-あじさいの恋-』(昭和57年公開)、浜ちゃんとスーさんでお馴染みの映画『釣りバカ日誌5』(平成4年公開)のロケ地にもなっています。
京都府内にある重伝建(伝統的建造物群保存地区)は、伊根町伊根浦(漁村)のほか、南丹市美山町北(山村集落)、与謝野町加悦(製織町)、さらに京都市内に祇園新橋(茶屋町)、産寧坂(門前町)、嵯峨鳥居本(門前町)、上賀茂(社家町)の合計7ヶ所があります。
伊根町伊根浦伝統的建造物群保存地区 | |
名称 | 伊根町伊根浦伝統的建造物群保存地区/いねちょういねうらでんとうてきけんぞうぶつぐんほぞんちく |
所在地 | 京都府与謝郡伊根町日出、平田、亀島 |
関連HP | 伊根町公式ホームページ |
電車・バスで | 北近畿タンゴ鉄道宮津線天橋立駅から丹海バス経ヶ岬行きで49分、日出小坪下車、徒歩15分 |
ドライブで | 京都縦貫自動車道宮津天橋立ICから約29km |
駐車場 | 道の駅舟屋の里伊根(106台/無料) |
問い合わせ | 伊根町教育委員会社会教育文化財保護係 TEL:0772-32-0718/FAX:0772-32-0447 |
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