天授庵(てんじゅあん)は、南禅寺の塔頭(たっちゅう)寺院のひとつで、暦応2年(1339年)、光厳天皇(こうごんてんのう)の勅許により虎関師錬(こかんしれん)が南禅寺を開いた大明国師(無関普門/むかんふもん)の塔所として建立。
枯山水と池泉回遊式、趣の異なるふたつの庭園を観賞
大明国師は亀山法皇から南禅寺の開山を命じられたときすでに80歳。
開山の年の12月に亡くなっているので禅寺として伽藍(がらん)が完成するのを見ていません。
大安4年(1447年)の南禅寺大火で類焼し、京を焼け野原とした応仁の乱にも巻き込まれ、戦国時代には荒廃していました。
慶長7年(1602年)、歌人としても名高い肥後細川家の礎、細川幽斎(ほそかわゆうさい=細川藤孝)が再興しています。
幾何学的な石畳を中心にした枯山水庭園の方丈前庭(東庭)と池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)の書院南庭という趣あるふたつの庭園があり、このお庭を目当てにする価値も大。
方丈は、細川幽斎の再興時に建立された柿葺き(こけらぶき)の建物で襖絵(ふすまえ/非公開)は長谷川等伯(はせがわとうはく)の筆で国の重要文化財。
方丈前庭は、小堀遠州のアイデアを生かした庭園といわれ、白砂の庭を苔に縁取られた菱形の敷石が横切り、サツキの刈り込みが美しい枯山水庭園。
池泉回遊式の南庭は明治時代に手を加えられていますが、南北朝時代の雰囲気を今に伝える名園です。
紅葉シーズンにもまだまだ比較的静かに観賞できる穴場の寺といえるので、オススメ。
例年11月中旬~11月末には紅葉ライトアップも実施されています。
天授庵 3つのチェックポイント
南禅寺の塔頭寺院で、江戸時代はじめに細川幽斎が再興
枯山水と池泉回遊式、趣あるふたつの庭園
新緑、紅葉も見事で、紅葉ライトアップも実施
天授庵 | |
名称 | 天授庵/てんじゅあん Tenjuan Temple |
所在地 | 京都府京都市左京区南禅寺福地町86-8 |
電車・バスで | JR京都駅から市バスで34分、南禅寺永観堂前下車、徒歩8分。または地下鉄東西線蹴上駅からインクラインをくぐり歩行者専用道で徒歩5分 |
ドライブで | 名神高速道路京都東ICから約14km |
駐車場 | 南禅寺駐車場(50台/有料) |
問い合わせ | 天授庵 TEL:075-771-0744/FAX:075-771-0744 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag