京都市右京区を走る京都府道137号(清滝鳥居本線)途中にある一車線の狭いトンネルが清滝隧道(清滝トンネル)。愛宕山鉄道廃線跡をそのまま車道に転用したため、トンネル内では離合は困難で、トンネルの入口に交互通行の信号が設置されています。
単線の鉄道トンネルを道路に転用
火防(ひぶせ)の信仰で賑わった愛宕山・愛宕神社の参詣者の輸送用に、昭和4年に嵐山駅〜清滝駅間(3.39km)に軌間1435mm(標準軌)の愛宕山鉄道を敷設(嵐山駅〜嵯峨西駅〜釈迦堂駅〜鳥居本駅〜清滝駅)。
さらに終点の清滝駅では、清滝川駅〜愛宕駅間(2.13km)の鋼索鉄道(ケーブルカー)に連絡していました。
この清滝隧道は、昭和4年4月12日開業の愛宕山鉄道(平坦線)が、戦時下の昭和19年12月11日に廃線になったため、戦後、道路トンネルに転用したもの。
清滝隧道は、戦時下、三菱重工業の分工場として航空機の部品工場になっていました。
単線の鉄道トンネル転用のため(愛宕山鉄道は嵐山〜清滝トンネル手前までが複線、清滝トンネル〜清滝駅までが単線でした)、車1台がやっとという幅員で、しかも路側に白線が引かれて、歩行者や自転車も通行します。
嵐山側の入口は愛宕山鉄道当時のままで(清滝側は道路トンネルが50mほど延長されています)、トンネルの内部にも往時の作業員の待避坑が残されています。
清滝隧道の清滝側出口近くにはかつての清滝駅の跡地が広場になっていますが、往時を偲ぶものはありません。
この清滝隧道を利用しない場合には、往時の車道だった峠越えルートも用意され、選ぶことが可能(清滝側からの一方通行)。
清滝隧道(愛宕山鉄道廃線跡) | |
名称 | 清滝隧道(愛宕山鉄道廃線跡)/きよたきずいどう(あたごやまてつどうはいせんあと) |
所在地 | 京都府京都市右京区嵯峨鳥居本一華表町 |
ドライブで | 名神高速道路京都南ICから約15km |
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