京都府船井郡京丹波町にある京都府唯一の鍾乳洞が、質志鐘乳洞(しずししょうにゅうどう)。高屋川上流の標高410mほどに位置し、総延長120m(見学可能は52.5m)、高低差25.1mの鍾乳洞(縦穴)で、昭和2年に発見されたもの。洞内は12度〜15度に保たれ、夏は避暑に訪れる人も多数。京都府の天然記念物に指定。
京都府にある珍しいカルスト地形に発達した鍾乳洞
京丹波町の質志地区一帯には丹波層群の緑色岩(玄武岩溶岩)中に挟まれたかたちで石灰岩が露出、小規模ながらカルスト地形を形成しています。
2億6000万年前、熱帯の海域に形成したサンゴ礁が起源で、サンゴのなどの死骸が石灰岩となったもので、ペルム紀前期のフズリナやコノドント化石が発見されています。
質志集落の西南の大崩谷の北西側斜面に位置するため、大崩谷鍾乳洞とも呼ばれ、いくつか発見されている小規模な鐘乳洞のうち、最大のもの。
鍾乳洞が発見された当初、地元では洞窟がどこまで続いているのかが話題となり、犬と鶏を洞内にい入れたところ犬は途中で引き返しましたが、鶏は3kmも離れた大原神社下の洞穴に出て大きな声で鳴いたという伝承が残されています。
洞内では、昭和14年には日本で初めての新種甲虫が発見され、ヨシイメクラチビゴミムシと命名されています。
現在もコキクガシラコウモリなどの洞窟コウモリ類の重要な生息地になっています。
往時には鍾乳石や石筍も多くありましたが、現在までにかなり破壊されています。
一帯は質志鐘乳洞公園として整備され、バンガロー(2棟)やキャンプサイト(10基)、滑り台も整備され、バーベキュー、ニジマス釣りを楽しむことができます。
鍾乳洞は縦穴で階段を使って探勝するため、転倒防止のため歩きやすい靴での入洞を。
1月〜2月の冬期2ヶ月間は、積雪やコウモリの冬眠保護のため閉園(3月・12月は、土・日曜、祝日のみ営業)。
質志鐘乳洞 | |
名称 | 質志鐘乳洞/しずししょうにゅうどう |
所在地 | 京都府船井郡京丹波町質志 |
関連HP | 京丹後町観光協会公式ホームページ |
ドライブで | 京都縦貫道京丹波みずほICから約8km |
駐車場 | 50台/無料 |
問い合わせ | 質志鐘乳洞公園 TEL:0771-86-1725 |
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