京都府京都市下京区都市町、鴨川・五条大橋の南東に位置するのが、源融・河原院跡(みなもとのとおるかわらのいんあと)。紫式部の『源氏物語』の主人公・光源氏のモデルとなった源融の邸宅・河原院があった地だとされ、渉成園もその一部という広大な面積を占めた大邸宅でした。
光源氏の邸宅「六条院」のモデル!?
室町時代初期、貞治年間(1362年〜1367年まで)に完成した『源氏物語』の注釈書『河海抄』(かかいしょう)には、光源氏の邸宅「六条院」もモデルは、同じ六条にあった河原院としていることから、源融は光源氏の有力なモデル候補になっています。
実際には『河海抄』は、『源氏物語』が完成してから350年もの歳月が経った後の注釈書なので、中世の伝承などを集めたものにすぎません。
それでも源融の住まいである六条河原院の敷地は、四町四方の広さがあったと伝えられ、『源氏物語』の主人公・光源氏が住んだ邸宅「六条院」も四町四方と記されているので、可能性は高まります。
源融の河原院は、南・六条大路、北・六条坊門小路、東・東京極大路、西・萬里小路に囲まれた広大な土地に、鴨川の水を引き入れて池を造り、陸奥国塩竈の風景を模して庭園を築いたとされ、その跡地の一部に、江戸時代になって真宗本廟(東本願寺)の飛地境内地「渉成園」(しょうせいえん)が、石川丈山によって作庭されています。
塩竈町などの地名は、河原院にあった庭園に由来する地名だと推測できますが、「源融・河原院阯」の石碑は河原院の推定地から少しはみ出した場所にあります。
源融が光源氏のモデルで、邸宅「六条院」が河原院だったとするなら、光源氏と夕顔が一夜を過ごしたのは、この河原院ということに。
NHK大河ドラマ『光る君へ』の放送で注目される『源氏物語』関連スポットのひとつです。
源融・河原院跡 | |
名称 | 源融・河原院跡/みなもとのとおる・かわらのいんあと |
所在地 | 京都府京都市下京区都市町141-11 |
電車・バスで | 京阪電車清水五条駅から徒歩5分 |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
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