特急の正式名称をご存知でしょうか? 「特急列車」というのは不正解。JRでは廃絶され、私鉄にのみ残される急行は、英訳するとExpress(急行列車=Express Train)、特急は急行よりも速達性の高い「特別急行(列車)」なので、Limited Express(Ltd. Exp.)となります。
初の特別急行列車は、新橋〜下関を25時間で結ぶ

列車の種別としては普通列車に対して、優等列車というくくりです。
特急と急行、そして準急は、急行の種別として、特別急行列車、普通急行列車、準急行列車と3つに分けられています(国鉄時代に準急行列車は普通急行列車に統合されて廃絶しています)。
日本初の急行列車は、明治27年10月、山陽鉄道(山陽本線の前身)が神戸〜広島に運行、上り8時間47分、下り8時間56分で走り、急行券は不要で普通乗車券だけで乗車できました。
現在、山陽新幹線で新神戸〜広島は1時間15分ほどで移動できるので隔世の感がありますが、それでも速達性を謳い文句に登場したのが、この日本初の「急行列車」です。
官設鉄道(現在のJRグループ)では、山陽鉄道の急行列車誕生に刺激を受け、明治29年9月1日、新橋〜神戸間での急行列車1往復を運転。
上りが17時間9分、下りが17時間22分でしたが、旧来よりも停車駅を減らして3時間ほど所要を短縮しています。
乗車券のみで乗車ができたのは山陽鉄道と同じですが、40哩(マイル)、つまり64km以上の乗車が条件となっていました。
明治39年4月16日、新橋〜神戸駅を走る速達性の高い「最急行1列車」・「最急行2列車」に急行料金が必要となり、初の有料急行が誕生しています。
それまでの列車は、1等、2等、3等という種別はあったものの、速達性で料金を課金することはなかったことから、明治時代も後期になると「旅を急ぐ」必要性が高まってきたことがわかります。
特急(特別急行列車)の誕生は、明治45年6月。
新橋〜神戸間を走っていた「最急行1列車」・「最急行2列車」を下関まで延伸し(明治39年12月1日に山陽鉄道は国有化、山陽本線に)、格上げするかたちで誕生させています。
所要は上り25時間8分、下り25時間15分。
蒸気機関車で御殿場回り(丹那トンネルは昭和9年12月1日開通)の時代だったことを思えば、これでも当時は速く感じた時代です。
現在は新幹線で最速4時間13分なので、隔世の感がありますが、まさに新幹線は弾丸列車、「夢の超特急」だったことがよくわかります。
| 【意外に知らない】特急、正式名称は!? | |
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