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日和山(鳥羽)

日和山(鳥羽)

三重県鳥羽市、JR参宮線、近鉄鳥羽線・志摩線の鳥羽駅す背後に控える標高69mの小さな山が日和山(ひよりやま)。標高こそ高くはありませんが古くから展望の名所、日和見の地として知られた場所。ここから空や海の様子を見て天候を予測し、船を出航するかどうかを決めたということが名の由来です。

廻船の船乗りたちがここで天候を見定めた地

歌川広重『六十余州名所図会 志摩』 日和山鳥羽湊、右端が日和山

日和山という名は、大坂と江戸を結ぶ廻船が、鳥羽湊を出ると伊豆・下田湊まで走る必要があったため、ここでじっくりと天候を見定める必要があり、日和を見る山という意から。
歌川広重の諸国を代表する景観を描いた『六十余州名所図会 志摩』も「日和山鳥羽湊」なので、鳥羽のシンボルだったことがよくわかります。

今は穴場的な存在になっていますが、明治24年に皇太子(後の大正天皇)が鳥羽を訪れた際にも、この日和山を遊覧。
明治45年には灯台の機能を有した鳥羽導灯が設置されています。
昭和9年には鳥羽駅と結ぶ有料の日和山エレベーターが完成し、戦後も利用されていましたが、昭和49年1月6日、鳥羽駅の火災が類焼し、エレベーターは廃止になっています。

現在は、山頂の展望台まで遊歩道が整備され、気軽に山頂からの絶景を楽しむことができます。
三重県名賀郡名張町(現・名張市)出身で鳥羽造船所電機部(現・シンフォニアテクノロジー)に就職したという作家・江戸川乱歩(えどがわらんぽ)も好んで何度も登ったという場所です。

頂上には全国でも珍しい上質の御影石の八角形の台座に円形の方位盤が乗り、四方と十二支による方位が彫られています。

山頂に「無線電話発祥記念碑」が立っていますが、大正3年11月7日にTYK式無線電話鳥羽局が開局、12月16日から鳥羽〜答志〜神島間で試験が開始されたことを記念したもの。
無線電話としては世界で初めて実用化されたものなのです(昭和31年11月30日にケーブルの敷設により廃止)。

無線電話発祥記念碑
日和山(鳥羽)
名称 日和山(鳥羽)/ひよりやま(とば)
所在地 三重県鳥羽市鳥羽1
電車・バスで JR・近鉄鳥羽駅から徒歩10分
ドライブで 伊勢二見鳥羽ライン鳥羽ICから約3.5km
駐車場 鳥羽市営佐田浜第一駐車場(30台/無料)
問い合わせ 鳥羽市観光課 TEL:0599-25-1157
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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