新橋~横浜を走った「陸蒸気」が明治村で走行中

「汽笛一声新橋を」(『鉄道唱歌』)で知られる新橋(現・汐留)〜横浜(現・桜木町)に鉄道が開通したのは明治5年9月12日(1872年10月14日)。29kmを53分かけて走りましたが、当時、客車を牽引した「陸蒸気」(おかじょうき)が愛知県犬山市の博物館明治村で現役で走行中です(動態保存)。

150年以上、現役であり続ける奇跡の「陸蒸気」

新橋停車場を発車する同型の蒸気機関車

1日9往復が運行され、運賃は上・中・下等の3等級でしたが、客車を牽引したのは蒸気機関車。
海上の蒸気船(外輪船)に対し、陸上を走る蒸気機関車なので「陸蒸気」と称されたのです。
イギリスから10両が輸入されたタ蒸気機関車で、2軸客車10両を牽引、最高速度50km/hで走ったのです。

開通の日に明治天皇ら貴賓を乗せて走った「お召し列車」を牽引したのは2号機関車で、同時に輸入された機関車の中で最優秀の評価を受けたことでイギリスからの追加輸入が決まりました。

博物館明治村で走行するのは、開業の2年後に輸送力拡大のためイギリスから追加購入された23号蒸気機関車で、お召し列車として活躍した2号機関車と同じ、イギリスのシャープ・スチュアート社(Sharp, Stewart & Co., Atlas Works)製造。
昭和60年にボイラーの取替えが行なわれているほかは、ほぼ往時のままという貴重な車両です(使用されなくなった当初のボイラー部分は、博物館明治村内の「SLとうきゃう駅」から帝国ホテル中央玄関への坂を下ったところに展示されています)。

日本の鉄路を走り始めて、すでに150年以上経過していますが、今も現役というのが驚異的なご長寿ぶり。

注/TOPの画像は、輸入150周年を記念して輸入当初の番号「23」に付け替えて運転された際のもの。

展示される当初のボイラー部分

明治レトロなホンモノの客車を牽引

SLとうきゃう駅に停車する三等客車

博物館明治村内では、23号ではなく、12号に改番されていますが、この番号は明治44年、鉄道省から尾西鉄道(びさいてつどう=名鉄尾西線の前身)に譲渡された際に付いた番号です。
愛知県内を昭和32年まで走り続け、最終的に博物館明治村に転属し、SLとうきゃう駅〜SLなごや駅の間をレトロな客車を牽引して走っているのです(走行する蒸気機関車は日によって異なります)。

乗車できる客車も、明治41年製造のハフ11、明治45年製造のハフ13・14の計3両で、ホンモノ体験が可能となっています。

3等級に分かれて入るものの、乗車券を購入すれば、誰でも乗車できる乗り物。
まさに明治維新の文明開化、そして四民平等を体感する象徴的な乗り物で、今も現役というのはまさに奇跡といえるでしょう。

博物館明治村で、「奇跡の体験」、「明治時代へのタイムスリップ」を、ぜひ。

新橋~横浜を走った「陸蒸気」が明治村で走行中
所在地 愛知県犬山市内山1
場所 博物館明治村
関連HP 博物館明治村公式ホームページ
電車・バスで 名鉄犬山線犬山駅から名鉄バス明治村行きで20分、終点下車すぐ
ドライブで 中央自動車道小牧東ICから約4.6km
駐車場 900台/有料
問い合わせ 博物館明治村 TEL:0568-67-0314/FAX:0568-67-0358
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
博物館明治村

博物館明治村

明治時代を中心とする建築物を愛知県犬山市の入鹿池(いるかいけ)周辺のなだらかな丘陵地帯の景観を生かしながら移築・展示した野外博物館。解体される運命にあった建造物の中から価値あるものを選び順次移築復原し、移築された歴史ある建物は全部で60あま

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