宮城県仙台市青葉区にある杜の都・仙台を代表するケヤキの並木道が定禅寺通(じょうぜんじどおり)。慶長6年(1601年)、仙台城の鬼門封じのために定禅寺(現在の仙台合同庁舎一帯が寺域でしたが、新政府軍と対峙した仙台藩の庇護もなくなり明治6年に廃寺に)が建立され、その参道が整備されたのが始まり。
ケヤキ並木と彫刻が美しい
定禅寺は廃仏毀釈の荒波で明治6年に廃寺となり、維新後は、仙台鎮台病院(後の仙台陸軍病院、現在は仙台合同庁舎が建っています)が定禅寺跡地に移転するなど、行政・文教地区に。
定禅寺通ももともとは奥州街道と定禅寺(藩政時代までは伊達氏の祈願寺として繁栄)を結ぶ参道でしたが、第二次世界大戦後の特別都市計画法で都市計画街路として拡幅されて大通りとなったもの。
約700mに渡って166本のケヤキが植栽されています。
緑道には、昭和52年度の仙台市制施行88周年記念「彫刻のあるまちづくり」事業として始まった「夏の思い出」(Memories of Summer/エミリオ・グレコ)や「Ulysses/オデュッセウス」(ジャコモ・マンズ)、「水浴の女」(A Bathing Woman/ヴェナンツォ・クロチェッティ)などの彫刻が配され、野外彫刻公園のような雰囲気に。
駅前通との交点から錦町公園前交差点までの区間は、仙台市道青葉1141号(定禅寺通宮町線)で4車線、錦町公園前交差点から東二番丁定禅寺交差点の区間は国道45号で6車線、ともに中央分離帯にケヤキ並木、両側歩道にイチョウ並木が配されています。
東二番丁定禅寺交差点から市民会館前交差点までの区間は、仙台市道青葉1171号(定禅寺通線)で、6車線、4列のケヤキ並木が配された区間で、中央分離帯は「定禅寺通緑地」(定禅寺通グリーンベルトと通称)。
「日本の道100選」にも選定。
定禅寺通シンボルロード整備事業により、電線の地中埋設、コンサート用の小ステージと電源の配置などが行なわれ、5月の『仙台・青葉まつり』、9月の『定禅寺ストリートジャズフェスティバル』、12月の『SENDAI光のページェント』の会場として、仙台を代表するストリートに。
東二番丁定禅寺交差点には勾当台公園、市民広場が、西端には西公園があります。
ちなみに、仙台が「杜の都」(当時は「森の都」)と呼ばれるようになったのは、明治時代の後期から。
仙台藩は城内だけでなく武家屋敷にも飢餓や戦時下を意識して栗や梅、柿など実のなる樹木を植えることを奨励したため、廃藩置県後も屋敷林が数多く残され、青葉山の緑を含め「森の都」と呼んだのです。
仙台空襲で市街地が焼失し、屋敷林が失われたことで、戦後、ケヤキ(仙台市の「市の木」)を中心とした植栽が行なわれ、「杜の都」が復活したのです。
植栽されたケヤキの成長とともに、定禅寺通は、「杜の都・仙台」のシンボルロードに。
画像協力/(公財)仙台観光国際協会、(公社)定禅寺ジャズフェスティバル協会
定禅寺通 | |
名称 | 定禅寺通/じょうぜんじどおり |
所在地 | 宮城県仙台市青葉区国分町 |
関連HP | 仙台観光情報サイト |
電車・バスで | 仙台市営地下鉄勾当台公園駅下車すぐ |
ドライブで | 東北自動車道仙台宮城ICから約5km |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 仙台市交通局案内センター TEL:022-222-2256 |
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