宮城県仙台市を流れる一級河川が広瀬川。昭和53年発売のヒット曲『青葉城恋唄』(作詞:星間船一、作曲:さとう宗幸)で、「杜の都・仙台」を流れる清流として一躍全国的にも有名な川になっています。山形県境の関山峠(仙台市青葉区)が源流で、仙台市街は河岸段丘を形成しています。環境省の名水百選にも選定。
河川敷には広瀬川河川公園も整備
広瀬川という名の歴史的に初登場するのは、鎌倉時代の文治5年(1189年)、源義経を匿った奥州藤原氏の藤原泰衡(平泉が拠点)が、それを追討する源頼朝軍の防備する最前線として「広瀬河」に防衛線を構えたとするもの。
藤原泰衡は、現在の仙台市宮城野区にある榴岡公園(つつじがおかこうえん)に本陣を構え、渡河を阻止するために広瀬川の川底に縄を巡らせています。
近世には伊達政宗が築いた仙台城(青葉城)も広瀬川を掘りの代わりにする構えで、材木の運搬など物資の輸送路にもなっていました。
江戸時代に開削された四ツ谷用水(よつやようすい)は、広瀬川の水を仙台城下に取り入れたもの。
暗渠(あんきょ)となっていますが、現在でも工業用水道として使われています。
水質や環境も保全され、森林文化協会(朝日新聞設立)の「21世紀に残したい日本の自然100選」にも選定されています。
広瀬川の広い河川敷には「若林緑地」、「中河原緑地」、「八本松緑地」、「飯田緑地」、「川内緑地」などの広瀬川河川公園が整備されています。
仙台市街の西公園(青葉区)には広瀬川沿いに園路があり、散策が可能。
国道4号仙台バイパス千代大橋(せんだいおおはし)周辺の広瀬川下流部の仙台市街では両岸の堤防に遊歩道が設けられ、散策にも絶好。
ちなみに宮城県内で名水百選に選定されるのは、もう1ヶ所、桂葉清水(栗原市高清水)があります。
無名の作詞家が作詞した『青葉城恋唄』
『青葉城恋唄』は、NHK-FM仙台『FMリクエストアワー』(生放送番組)のDJを務めていたさとう宗幸の元に、届いた詩にさとう宗幸が曲を付けたもの。
番組に詩を送ったのは、アマチュア作詞家の星間船一。
キングレコードのディレクターの赤間剛勝にデモテープが持ち込まれ、ダークダックス、そして作曲したさとう宗幸が歌ってレコーディングしたのです(当時、仙台のローカル歌手だったさとう宗幸だけが歌ってはヒットしないという判断からダークダックス版も発売)。
当初はダークダックスの曲がヒットしましたが、次第にさとう宗幸の歌として世間に知られるように。
もともとは、発売初期の歌詞は「時はめぐり」だったのですが、作詞家・阿久悠から赤間剛勝への「時(タイム)は過ぎていくだけで、めぐってくるものじゃない。『季節』と書いて『とき』と読ませればいい」(当時数多かった音楽賞の受賞の際に、その歌詞が問題になる)との指摘で「季節(とき)はめぐり」に変更されているのだとか。
『青葉城恋唄』は、その年、なんと『UFO』(作詞:阿久悠)を抑えて、見事、日本作詩大賞受賞しています。
名称 | 広瀬川/ひろせがわ |
関連HP | 仙台市公式ホームページ |
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