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全国初!  砂浜が「海岸保全施設」になった三保の松原

三保の松原

世界文化遺産「富士山ー信仰の対象と芸術の源泉」の構成資産のひとつになっている三保の松原(静岡県静岡市清水区)。7kmの海岸に約3万本の松が生い茂り、浮世絵などにも描かれてきた景勝地です。静岡県は令和6年2月23日、全国初となる砂浜の「海岸保全施設」に指定しています。

三保の松原の美しい砂浜を保全

実は三保海岸にはテトラポッドがいっぱい

三保半島は、静岡市内を流れる安倍川から流れ出た土砂が潮流で流され、堆積してできた半島ですが、高度成長期にコンクリートの材料として安倍川の砂利採取が始まり、海に流れ出る土砂が減少、その結果、三保半島の砂浜の浸食が進んでいるのです。

現在、安倍川の砂利採取は規制されていますが、安部川河口の東側の砂浜は消滅したままで、回復していません。

三保半島では、砂浜が浸食されるのを防ぐために、海岸沿いにテトラポッド(消波ブロック)が設置されましたが、平成25年6月22日に世界文化遺産の認定、構成資産となったことから、「景観上好ましくない」といわれるようになったのです。
そこで海岸沿いにコンクリート製のL型突堤を設け(海上部分は1mほど)、テトラポッド(消波ブロック)からL型突堤へと転換を図っています。
L型突堤で砂浜を復元、砂浜自体がもつ消波機能を活かし、将来的には人工的な構造物に頼らない海岸保全を目指しているのです。

日本港湾協会によれば、海岸保全施設とは、海岸保全区域内にある津波や高潮等による海水の侵入又は海水による侵食から海岸を防護するための施設で、堤防(胸壁)、護岸、水門・陸閘(りくこう)、離岸堤・潜堤、突堤などが該当します。

今回静岡県が「海岸保全施設」に指定したのは、三保松原に隣接した砂浜で、砂浜が「海岸保全施設」になったのは初ということに。

歌川広重なども浮世絵に描いた三保松原から眺める富士山は、まさに「芸術の源泉」。
砂浜を保全することは、世界文化遺産の「芸術の源泉」の価値を未来に伝えるための必須の作業なのです。

全国初!  砂浜が「海岸保全施設」になった三保の松原
所在地 静岡県静岡市清水区三保
場所 三保松原
電車・バスで JR清水駅からしずてつジャストライン東海大学三保水族館・三保車庫行きで25分、三保松原入口下車、徒歩10分
ドライブで 東名高速道路清水ICから約11km
駐車場 200台/無料
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

三保の松原が「世界文化遺産」に登録された理由とは!?

日本三大松原(三保の松原、虹の松原、気比の松原)にも数えられる三保の松原。駿河湾に突き出した半島ですが、世界遺産・富士山に最後まで登録できるかどうかでやきもきさせたのも、ここ三保。関係者がどうして三保の松原にこだわったかといえば、重要な理由

三保松原

駿河湾に突き出すような半島に面した南北7kmの砂浜一帯に、美しい松林が連なる景勝地、三保松原。江戸時代、東海道を歩く人々が「あれが三保の松原か」と江尻宿あたり(東海道本線清水駅付近)から遠望したのが三保松原です。日本白砂青松百選にも選定され

羽衣の松

三保半島(静岡市清水区)、三保松原にある御穂神社(みほじんじゃ)の参道「神の道」の先にある御穂神社の御神体が羽衣の松(はごろものまつ)。一帯は祭神である三穂津彦命(みほつひこのみこと=大国主命)、三穂津姫命(みほつひめのみこと)が羽衣の松を

 

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