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鬼の洗濯板

日南海岸の名物といえばこの鬼の洗濯板。青島から油津にかけて至るところで目にできるノコギリの歯を思わせる波状岩は、地層が20度ほど傾きながら隆起し、波の浸食により柔らかい部分が削られ、さらに隆起し海面に顏を出したもの。「青島の隆起海床と奇形波蝕痕」として国の天然記念物にも指定されています。

日南海岸の名物的光景

宮崎層群と呼ばれる新第三紀(約1500~3000万年前)に深い海で堆積した地層は、凸の部分が硬い砂岩層、凹の部分が軟らかい泥岩層から成り立っています。
当時海底で起こった巨大地震によって発生した土石流のような流れから堆積したと考えられているので、少なくとも数百回の大地震が起こっていたことになります。

砂岩層とその上の泥岩層が1回の堆積で形成されているのですが、天然のものとは思えないほどアートな奇岩は干潮の時間帯には日南海岸沿いを走る国道220号、県道330号をドライブしていると、車窓からも見ることができます。

有名な青島は、この鬼の洗濯板で周囲を取り囲まれています。
また鬼の洗濯板周辺はメジナ釣りの好ポイントととして釣り好きには注目の場所に。

青島を取り囲む鬼の洗濯岩
日南海岸・堀切峠周辺の海岸線
鬼の洗濯板、鬼の洗濯岩の由来は!?
洗濯機が家庭で使われるようになる前、昭和30年代前半までは、家庭でポピュラーに使われていたのが、洗濯板です(洗濯機は昭和28年に三洋電機が発売)。
文字通り、凹凸のある板で、そこに洗濯石鹸をつけた衣服をゴシゴシして汚れを落とすもの。
実は、この洗濯板(washboard)、日本で発明されたものではなく、ルネッサンス期(16世紀〜17世紀)にヨーロッパで生まれたもの。
1797年にギザギザの付いた洗濯板(Scrub board)が発明され、これがその後の洗濯板の原型に。
このギザギザ付きの洗濯板は、明治中期に日本に伝来しています。
つまり、時代劇などで洗濯板でゴシゴシしているシーンを見かけたら、時代考証の誤りということに(明治以前にはたらいだけで踏んだり、もんだりして汚れを落としていました)。
つまり、鬼の洗濯岩、鬼の洗濯板という名前がついたのは、明治中期以降ということに。
「鬼の洗濯板」という名が文献に登場するのは昭和8年、鬼の洗濯岩は昭和29年のことで、平成19年に宮崎県は観光PR用には「鬼の洗濯板」で統一するとの見解を発表しています。
鬼の洗濯板
名称 鬼の洗濯板/おにのせんたくいた
所在地 宮崎県宮崎市折生迫
関連HP 宮崎市観光協会公式ホームページ
電車・バスで JR青島駅から徒歩10分
ドライブで 宮崎自動車道宮崎ICから約12km
駐車場 青島駅西口駐車場(41台/無料)、青島公共駐車場(50台/無料)、青島参道南広場駐車場(45台/無料)、こどものくに駐車場(750台、土・日曜、祝日、学校の休日、フラワーフェスタ期間中は有料)も利用可能
問い合わせ 宮崎市観光課 TEL:0985-21-1791
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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