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根室駅が64年ぶりに、「日本最東端の駅」に復帰!

2025年3月15日(土)、JR北海道のダイヤ改正にあわせて、「最北の秘境駅」と称された宗谷本線・抜海駅が廃止となりましたが、根室本線(花咲線)でも日本最東端の駅として知られる東根室駅(根室市)が廃止となりました。これによって根室駅が64年ぶりに「最東端の駅」に復帰しました。

開業当初と戦後少しの間は根室駅が日本最東端だった

根室駅は1921年8月5日、鉄道省根室本線の駅として開業。
当時は日本最東端の駅でしたが、1929年12月27日、北海道の開拓鉄道(軽便鉄道)敷設ブームに乗って根室拓殖鉄道(ねむろたくしょくてつどう)が、根室駅から根室半島南岸に沿って歯舞漁港(はぼまいぎょこう)の歯舞駅までを結んで開業したため、最東端の駅としての地位は、歯舞駅に。
歯舞で収穫された特産の昆布などの海産物を搬出する目的で敷設されたナローゲージ(軌間762mm)の軽便鉄道でしたが、太平洋戦争をくぐり抜け、1959年まで存続していました。
1959年4月1日、歯舞村が根室市に合併される際に、根室拓殖鉄道(15.1km)も廃止(6月20日休止、9月21日廃止)、バス輸送に転換し、後に根室交通に吸収されています。

東根室駅は、根室の市街地の拡大を背景に1961年2月1日、根室本線花咲駅〜根室駅間に東根室仮乗降場として開業、9月1日、無人駅ながら旅客駅に昇格しています。
こうして1961年に東根室駅が、「最東端の駅」に躍り出たわけです。

つまり、根室駅は、1921年8月5日の開業当初から1929年12月27日の根室拓殖鉄道開業までは、最東端。
根室拓殖鉄道廃止の1959年から東根室駅開業の1961年までは再び最東端の駅に君臨したということに。

根室拓殖鉄道も掲載される根室支庁の地図

存続を目的に「日本最東端を走る絶景!花咲線」をPR

別寒辺牛湿原を走る花咲線のディゼルカー

2025年3月15日(土)、東根室駅の廃止によって、64年ぶりに「日本最東端の駅」に復帰することに。
ニュースでも廃止のニュースは大きく流れましたが、地元では根室駅が最東端の駅になったことに伴う、フォトスポットの設置などが話題になっています。
なんとセレモニーまで行なわれ、JR北海道の戸川達雄釧路支社長が「根室駅が終着駅で始発駅、そして最東端の駅になりました」とあいさつしています。

根室駅が終着駅となる花咲線(根室本線の釧路駅〜根室駅)は2016年、JR北海道単独では維持することが困難な線区として認定され、沿線自治体が「花咲線対策沿線地域連絡協議会」を結成。
「地球探索鉄道」と位置付けて観光客の誘客を積極的に進めていますが、「日本最東端の駅・根室駅」そして「日本最東端の花咲線」を積極的にPRして、乗車率を少しでも高めようとしているのです。

戸川達雄釧路支社長も「花咲線は落石(おちいし)、別寒辺牛湿原(べかんべうししつげん)などここにしかない景色がある。多くのお客様に乗っていただきたい」とPRしています。
原野や湿原を走る花咲線は、北海道の中でも少し日本離れした風景が味わえる場所。
別寒辺牛湿原を走る部分などは、日本を代表する「絶景鉄道」といえるでしょう。

根室と釧路を結ぶ花咲線は湿原や海岸、原野を走る絶景路線
根室駅が64年ぶりに、「日本最東端の駅」に復帰!
所在地 北海道根室市光和町2丁目
場所 根室駅
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

東根室駅【2025年3月15日廃止】

日本最東端の駅が根室本線の東根室駅(ちなみに最西端は、松浦鉄道のたびら平戸口駅/長崎県平戸市田平町)。駅に降り立つ人も少ない無人駅となっていますが、鉄道ファンの姿が目につきます。周辺は住宅地であまり最東端といったムードはありませんが、ホーム

 

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