火山噴火予知連絡会が「おおむね1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」を活火山と定義、日本国内には110の活火山があります。明治以降に火山活動で誕生した新山は、明治新山、昭和新山、平成新山の3ヶ所。ひょっとすると令和新山も誕生するかもしれません。
明治新山|北海道
明治43年、洞爺湖温泉街の裏山が噴火
所在地:北海道有珠郡壮瞥町洞爺湖温泉
標高:251.4m
誕生年:明治43年の噴火活動で誕生
公園名:支笏洞爺国立公園
ジオパーク:洞爺湖有珠山ジオパーク(ユネスコ世界ジオパーク)
概要:有珠山の側火山(溶岩円頂丘)で、明治43年7月19日に有感地震が始まり、周辺住民が避難
明治43年7月25日、金比羅山から噴火し、翌7月26日にはその西側で噴火、7月31日には最大の噴火が発生
8月に入ると土地の隆起が始まり、11月上旬には火山学者・大森房吉によって標高60mだった平坦地が150m隆起し、標高210mの新山が形成されたことが確認
明治43年に誕生したことで、四十三山(よそみやま)と命名、明治新山は通称名です
昭和新山|北海道
隆起の過程は、三松正夫が「ミマツダイヤグラム」に記録
所在地:北海道有珠郡壮瞥町昭和新山
標高:398m
誕生年:昭和19年
公園名:支笏洞爺国立公園
ジオパーク:洞爺湖有珠山ジオパーク(ユネスコ世界ジオパーク)
概要:昭和19年、畑作地帯だったフカバ集落一帯の隆起が始まり、レールの隆起により国鉄胆振線(いぶりせん/伊達紋別駅〜倶知安駅/昭和61年廃止)が不通
戦時中だったことで情報が統制されていましたが、地元の壮瞥(そうべつ)郵便局長であった三松正夫は、新山が成長していく詳細な観察記録を作製、これが有名な「ミマツダイヤグラム」です
国の特別天然記念物、「日本の地質百選」にもなっています
平成新山|長崎県
「世界一新しい火山」とも称される山が雲仙に
所在地:長崎県島原市・雲仙市小浜町雲仙
標高:1482.7m
誕生年:平成3年5月20日に最初の溶岩ドームが誕生
公園名:雲仙天草国立公園
ジオパーク:島原半島ユネスコ世界ジオパーク
概要:平成2年11月17日、普賢岳山頂東側の地獄跡火口と九十九島火口で水蒸気噴火が発生、平成3年5月20日に最初の溶岩ドームが誕生
溶岩ドームは成長とともにその過程で崩落し火砕流を発生
平成3年6月3日に発生した大火砕流は、世界的に有名な火山学者ハリー・グリッケン(Harry Glicken/アメリカ人)、同行していたフランス人のクラフト夫妻、さらに消防団員、報道関係者、警察官、一般住民など43名が犠牲となる甚大な被害を生んでいます
明治新山、昭和新山、平成新山、次に誕生するのは令和新山!? | |
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