大正時代から昭和初期に木炭利用のため松之山の松口丘陵のブナの巨木は皆伐されてしまいましたが、伐採された年に木の実を実らせたため、奇跡的にブナ林は二次林として再生され美しいブナ林が甦っています。樹齢90年ほどの若々しいブナ林は美人林(びじんばやし)と呼ばれて保護されています。
世界屈指の豪雪地帯が生んだ、美しいブナの二次林
ブナ林3haを昭和59年に当時の松之山町が整備し、美人林として散策路が用意されています。
残雪の大地と美しい新芽のコントラストや葉が色づく紅葉の季節には、多くのカメラマンが集まってきます。
ブナの森といえば、巨木の茂る自然林のイメージがありますが、自然林では力強さを感じますが、二次林の美人林では、まさに整然と密集した美しさがあります。
4月中旬から芽吹きが始まり新緑の季節は5月初旬から1ヶ月ほど。
新緑の見頃は例年4月下旬~5月上旬、紅葉の見頃は11月上旬~11月中旬となっています。
ブナの葉は、紅葉当初の黄色(黄葉)からオレンジ色に変わり、最後に茶褐色になって落葉。
木の実をつけるのは数年に一度で、これらは昆虫・野鳥・小動物の貴重な栄養源となるほか、翌年春には一斉に芽吹いて「ブナもやし」と称して食材になるのだとか。
夏場もブナの森のなかは周辺より2度ほど気温が低いので、避暑を兼ねた散策に最適です。
「森の学校」キョロロを起点に遊歩道が伸びていて、冬季、残雪期には「森の学校」キョロロで、スノーシューやカンジキを貸し出すほか、「里山のめぐみ案内人」によるガイドの依頼も可能です。
「里山のめぐみ案内人」にガイドを頼めば、さらに楽しく充実した時間を過ごすことができるでしょう。
ブッポウソウ、アカショウビン、ノジコなど野鳥の住処にもなっているので、バードウォッチングにも絶好です。
松之山地域には、伐採年代の異なる417ものブナの森がモザイク状に点在しています。
平成8年に松之山地域では、環境政策として「ブナ条例」が施行され、地域にあるブナ林のうち、10のブナ林が保全対象となっています。
近くにある松之山温泉を基地にすれば、のんびりと美人林散策が楽しめるでしょう。
新潟県森林研究所などの研究で、ブナの二次林を用材として活用するためには、適正な密度は1haあたり300本~600本とされています。
豪雪地帯(2月〜3月の積雪は2m以上、冬季の累積降雪量は16mほど、地元の人は「おそらく人が住む所では日本一の降雪量」と話しています)ゆえに美しいブナの二次林が、しかも環境に応じて個性あふれる二次林が生まれたわけなのですが、今後、密集したブナがどう淘汰されていくかという、自然界の歩みを観察できる貴重な場所となっているのです。
美人林 | |
名称 | 美人林/びじんばやし |
所在地 | 新潟県十日町市松之山松口1712-2付近 |
関連HP | 越後松之山「森の学校」キョロロ公式ホームページ |
電車・バスで | 北越急行ほくほく線まつだい駅からバスで15分、堺松下車、徒歩20分 |
ドライブで | 関越自動車道越後塩沢石打ICから約32km。または、川口ICから約40km |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | 十日町市立里山科学館 越後松之山「森の学校」キョロロ TEL:025-595-8311/FAX:025-595-8320 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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