長野県茅野市北山、北八ヶ岳ロープウェイで上った標高2337mの横岳坪庭山頂駅周辺に広がるのが溶岩台地の坪庭。坪庭の名の通り、33万平方メートルの自然の庭園で、ハイマツ茂る高山帯の雰囲気で、コケモモ、ガンコウランなどの高山植物が観察できます。時計回りに一周する40分の遊歩道も整備。
亜高山帯にある溶岩台地に高山植物が繁茂!
亜高山帯程度の標高にあるにもかかわらず、シラビソなどの樹林がなく、高山帯に見られるようなハイマツや高山植物が生育するのは、溶岩の流出が新しいから。
北横岳の噴火で噴出した溶岩が固まってできた溶岩台地ですが、いつ頃流出した溶岩流かは定かでありません。
坪庭の八丁平溶岩は、溶岩の下の土壌の年代から600年前~800年前の溶岩流ではないかと推定されていますが(放射年代測定による)、これだけの噴火なのに、古文書に噴火の記録が一切残っていないのも不思議です。
つまり、溶岩流の噴出が新しいため、植生が発達せず、高山帯の様相を示していることに。
坪庭途中から登山道に入り、北横岳へ足を伸ばすと、コメツガ、シラビソなど亜高山帯の樹林帯を歩くことになるので、逆転現象が起こっていることがわかります。
まさに火山の軌跡が生んだ火山の奇跡と呼べるもの。
コイワカガミ、ミネズオウ、コケモモ、アキノキリンソウ、クロマメノキ、チョウジコメツツジ、シラタマノキ、ゴゼンタチバナ、ミツバオウレン、ミヤマニガイチゴ、コメバツガザクラ、ガンコウランなどで、坪庭の高山植物の見頃は、例年6月中旬~8月中旬。
遊歩道沿いに高山帯を示すハイマツのほか、シラビソ、ダケカンバ、コメツガなどが茂るのは、本来は亜高山帯だから。
時計回りに一周する遊歩道途中から、北横岳への登山道に入ると、山頂までは徒歩1時間(三ツ岳方面には決して入らないよう注意が必要)。
七ツ池近くに北横岳ヒュッテが営業しています。
さらに坪庭を歩けば、再び雨池峠方面への分岐があり、分岐から雨池峠方面に10分ほど歩けば笹原に縞枯山荘があり、軽食・喫茶も可能です。
北八ヶ岳・坪庭 | |
名称 | 北八ヶ岳・坪庭/きたやつがたけ・つぼにわ |
所在地 | 長野県茅野市北山 |
関連HP | 北八ヶ岳ロープウェイ公式ホームページ |
電車・バスで | JR茅野駅からアルピコ交通バス北八ヶ岳ロープウェイ行きで1時間、終点下車、北八ヶ岳ロープウェイで7分 |
ドライブで | 中央自動車道諏訪ICから約23km、北八ヶ岳ロープウェイで7分 |
駐車場 | 北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅駐車場(600台/無料)を利用 |
問い合わせ | 北八ヶ岳リゾート TEL:0266-67-2009/FAX:0266-67-3220 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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