沖縄県島尻郡八重瀬町、富盛の石彫大獅子と称されるのが、富盛のシーサー。記録に残される沖縄で最も古いシーサーで、『球陽』には尚貞21年(1689年)に設置と記されています。高さ142.2cm、全長175.8cm、沖縄戦の戦禍をくぐり抜けた、沖縄県に現存する村獅子として最古、最大のシーサーです。
現存する村獅子として最古、最大のシーサー
ジリグスク(勢理城)と呼ばれるグスクの中、八重瀬岳に向かって鎮座する、ひとつの岩を彫り込んだ巨大なシーサー。
当時、富盛地区では火災が多発、風水師の久米村・蔡応端に相談したところ、フィーザン(火山)といわれる八重瀬岳に向かってシーサーを設置すればよいと指示され、火伏せの目的で制作されたシーサーです(沖縄県の有形民俗文化財に指定)。
村獅子を設置すれば火災を防ぐと強く信じられ、沖縄全土に村獅子が広がるきっかけになったともいわれるシーサーで、沖縄本島を舞台として製作された映画『ゴジラ対メカゴジラ』(昭和49年公開/東宝)に登場するキングシーサー(古代琉球安豆味王族の守護神)は、この富盛のシーサーがモデルだと推測されています。
沖縄戦では、昭和20年の6月上旬、退却を続ける日本軍は富盛地区付近に陣地を構え、シーサー周辺は激しい地上戦の最前線となりました。
米軍兵(アメリカ陸軍第96歩兵師団第381連隊兵士)、そして近くの塹壕に身を潜めた従軍看護隊「白梅学徒看護隊」の弾除けにも使われ、よく見るとシーサーにも弾痕が残されています。
富盛のシーサー | |
名称 | 富盛のシーサー/ともりのしーさー |
所在地 | 沖縄県島尻郡八重瀬町富盛22 |
関連HP | 八重瀬町観光物産協会公式ホームページ |
ドライブで | 那覇空港から約13km |
駐車場 | 7台/無料 |
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