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「SLやまぐち号」の「一等展望車」(グリーン車)に注目!

SLやまぐち号・展望車

山陽新幹線の新山口駅と山陰の小京都・津和野を結び(62.9km)、西日本では唯一のSL走行となるのが、「SLやまぐち号」。SLがレトロな5両の客車を牽引しますが、注目は津和野方向の最後尾となる1号車。定員23名のグリーン車ですが、かつての1等車を復刻、しかも展望デッキを備えているのです。

1号車はマイテ49形をモデルにした「一等展望車」

使用されるSLの不具合などで、2022年5月から運転を取りやめていましたが、2024年5月3日(金・祝)から2年ぶりに運転を再開、「貴婦人」の愛称があるC57の1号機と「デゴイチ」D51が往年の客車を復刻したレトロ車両を牽引しています。

新山口駅駅から津和野駅までの乗車時間は2時間13分。
グリーン料金2500円を奮発する価値があるのは、グリーン券を持った人だけが利用できる展望デッキを備えているから。
戦前、戦後と東海道本線を走った展望車(一等車)は、昔語りになっていましたが、特急「富士」の展望車の雰囲気を伝えるのが、この「SLやまぐち号」のグリーン車です。
戦前の「一等展望車」であるマイテ49形は京都鉄道博物館(京都市下京区)で動態保存されていますが、実際の路線で運用されることはありません。

もちろん、往年の1等車(客車)の雰囲気を知っている人にも、その優雅な雰囲気はおすすめで、当時の憧れが、現実のものに。
昭和33年の鉄道運賃を見ると、3等(現在の普通車)に比べると8倍近い料金が必要だったのが一等展望車。
2500円で手が届くのですから、その意味でも乗る価値があります。

使用される車両は、35系客車で、グリーン車はオロテ35。
戦前の「一等展望車」マイテ49形などをモデルに、当時の雰囲気を再現しつつ、最新の安全対策を反映させたという優れた車両で、「開発コンセプトを高いレベルで具現化した点や蒸気機関車列車を永続的に運行するための一つの方向性を示した」ことが高く評価され、豪華列車のJR東日本E001形電車(TRAIN SUITE 四季島)を抑えて、平成30年の鉄道友の会「第61回ブルーリボン賞」をも受賞しています。

ちなみに照明は電球色のLED照明、トイレも昭和初期のデザインがモチーフですが、ちゃんと温水洗浄便座付き洋式便器となっています。

オロテ35の「オ」は、定員分の乗客を含む車両重量が32.5t以上37.5t未満、「ロ」はグリーン車(戦前の二等車)、「テ」は展望車を意味しており、厳密にいえば「二等展望車」ということになるのかもしれませんが、形式はマイテ49形を踏襲の「一等展望車」です。

「SLやまぐち号」は冬季を除く土・日曜、祝日に運転されています(グリーン車は席数が少ないので早めの予約が必要)。

1号車(オロテ35/グリーン車)の車内、最後尾に展望デッキが
「SLやまぐち号」の「一等展望車」(グリーン車)に注目!
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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