新井ビル（旧報徳銀行大阪支店）

大阪府大阪市中央区、中之島公園の南、今橋2丁目にある鉄筋コンクリート造4階建てのレトロな建物で、国の登録有形文化財に指定されるのが、新井ビル（旧報徳銀行大阪支店）。大正11年に1～2階は報徳銀行大阪支店、3～4階は貸事務所として建設されたものです。

レトロな銀行建築で、「五感・北浜本館」が営業

設計は、旧小寺家厩舎（神戸市／国の重要文化財）や造幣局旧火力発電所（現・造幣博物館／大阪市北区）、旧日濠会館（現・海岸ビルヂング／神戸市、国の登録有形文化財）などの設計で有名な河合浩蔵（かわいこうぞう＝ジョサイア・コンドルに建築を学んだ後、ドイツに留学）。
1階・2階部分は銀行時代の営業室で、大きな吹き抜け空間が特徴的（2階部分は回廊に沿ってぐるりと個室が配されています）。

現在、1階は洋菓子・喫茶の「五感・北浜本館」として再生され、2階部分はかつて執務室だった部屋がケーキサロン、金庫室は厨房へと改装されています。
「紳士淑女の寛ぎ」がサービスコンセプトで、北浜本館だけのスイーツも用意されています。

報徳銀行は、大正13年に合併して東明銀行となり、昭和2年の金融恐慌で銀行は倒産、 昭和7年から新井証券として利用されたので、実際に銀行として使われた期間は実は非常に短い期間でした。
今橋界隈は大阪の金融街として数多くの銀行の本店・支店が建てられましたが、往時のものは少なく、新井ビルは大変貴重な存在。

堺筋を挟んで斜め向かいに建つ、三井住友銀行大阪中央支店は、三井銀行大阪支店として昭和11年に建てられたものです（一帯は大阪における三井グループの拠点）。

ちなみに旧報徳銀行の店舗としては、常総市に大正時代築の旧報徳銀行水海道支店が現存。

新井ビル（旧報徳銀行大阪支店）
名称	新井ビル（旧報徳銀行大阪支店）／あらいびる（きゅうほくとくぎんこうおおさかしてん）
所在地	大阪府大阪市中央区今橋2-1-1
関連HP	新井ビル公式ホームページ
電車・バスで	京阪電車・大阪メトロ北浜駅からすぐ
駐車場	なし／周辺の有料駐車場を利用
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