海岸ビルヂング

神戸の旧雑居地、現在の海岸通りに建つ明治44年築のレトロなビル。煉瓦造り3階建ての事務所建築で、設計は河合浩蔵、施工は旗手組。戦災で屋上のペディメント焼失。さらに内装の大部分と外部装飾の一部を失っていますが、唐破風状の曲線を取り入れるなど独特の細部意匠が特徴の優美な建物で、国の登録有形文化財に指定されています。

オーストラリアとの羊毛貿易のパイオニア、兼松房次郎が建築

オーストラリア(濠洲)との羊毛貿易のパイオニア、兼松商店(現・兼松)の創業者・兼松房次郎(かねまつふさじろう)が建設。
建設当時は日濠館と呼ばれ、1階全体が兼松商店の事務所で2階以上が貸ビルでした。
昭和24年から海岸ビルヂングの所有に変わりました。

経済産業省の近代化産業遺産「商業貿易港として発展し続ける神戸港の歩みを物語る近代化産業遺産群」(中央区海岸通の商業ビル群)の構成資産にもなっています。

設計した河合浩蔵は、工部大学校造家学科でジョサイア・コンドルに建築を学んだ逸材で、ドイツ留学後司法省建築に携わり神戸地方裁判所(明治37年築/ファサード保存)などを設計。
さらに旧小寺家厩舎(明治43年/国の重要文化財/神戸市)、造幣局火力発電所(明治44年築/造幣博物館/大阪市)、奥平野浄水場施設(神戸市水の科学博物館)などを手がけています。

海岸ビルヂング(旧日濠館)でも、ドイツルネッサンス的なファサード(正面)、吹き抜け天井のドイツアンティークグラスを使ったステンドグラスなどが素敵です。
現在は、雑居ビルで、お洒落なブティックやギャラリーが入居。
兼松商店事務所時代の面影は1階のブティック店内などに残されています。
日没から22時までライトアップを実施。

海岸ビルヂングと商船三井ビル

兼松房次郎
1845(弘化2)年、大坂・江之子島で生誕。
大坂、京で丁稚奉公をしますが長くは続かず、幕末には江戸で岡部長常に小姓として仕え、天狗党の乱に小隊長として従軍。
19歳の時、要請により親戚の兼松家に養子入りし、明治維新後は大阪、横浜などで綿糸・雑貨の商業に従事。
明治15年、大阪商船(現・商船三井)の創業に参加。
さらに明治20年には「大阪日報」を買収し、翌年「大阪毎日新聞」と改称し、毎日新聞の基礎を築いています。
明治22年、新聞を本山彦一に譲り、神戸に「豪州貿易兼松房治郎商店」(現・兼松)を創業、日豪貿易に従事し、日豪貿易のパイオニアに。
明治30年の神戸港拡張では神戸港修築期成同盟会の役員となり、熟知したシドニー港を参考に、港湾施設の修築や、税関の拡充に務めています。
大正2年2月6日没。墓所は港を望む春日野墓地(神戸市中央区)。
NHK朝の連続テレビ小説『べっぴんさん』、映画『日本のいちばん長い日』、映画『海賊とよばれた男』に使われた神戸大学六甲台キャンパスにある国の登録有形文化財「兼松記念館」は、兼松房治郎の7回忌の記念として兼松商店の有志による兼松翁記念会から寄付されたもの。
往時は王子動物園横の旧制神戸高等商業学校(神戸大学の前身)にありましたが、昭和9年に六甲台に新築されています。

海岸ビルヂング DATA

名称 海岸ビルヂング/かいがんびるぢんぐ
所在地 兵庫県神戸市中央区海岸通3-1-5
関連HP 神戸公式観光サイト
電車・バスで JR元町駅・阪神本線阪神元町駅から徒歩8分
ドライブで 阪神高速道路神戸線京橋出口から約1.6kmでメリケンパーク駐車場
駐車場 メリケンパーク駐車場(630台)、市営三宮駐車場(1084台)/有料
問い合わせ 神戸国際観光コンベンション協会TEL:078-303-1188/FAX:078-302-2946
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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