大阪市北区と淀川区の間を流れる淀川(河口から7km)に架る国道176号の橋が十三大橋。阪神間モダニズムを背景に、景観や細部にまでこだわった昭和7年に完成した美しいアーチ橋で、増田淳(ますだじゅん)の設計。下流側に新十三大橋が誕生したことで北行きは片側1車線しかありません(南行きは3車線・歩道完備)。
淀川に架る美しい鋼タイドアーチ5連橋
十三大橋の架る淀川は、明治末に淀川の流路変更・直線化(川幅が狭く蛇行していた淀川下流部を改修)で開削された部分(放水路)。
初代の鉄橋は、この放水路の完成を反映して、明治42年5月に完成。
その後、大阪周辺の人口増に伴い、旧能勢街道を府道大阪池田線(池田と大阪を結ぶ産業道路/現・国道176号)として拡幅整備するために(旧鉄橋は幅員が5.5mしかありませんでした)、現在の鋼タイドアーチ5連、十三大橋が架橋されたのです。
橋長681.2m、幅員20.0mで、架橋当時としては幅員が広いのは、中央に路面電車を通すことを想定して。
すぐ上流側には阪急新淀川橋梁があり、阪急神戸本線・宝塚本線が通っています(中津駅〜十三駅間)。
上流側の歩道部分は、阪急電車の撮影スポットとしても有名。
下流側のアーチ鉄橋はNTT十三専用橋(通信線専用橋)です。
また、十三大橋南詰には大正9年設置の石灯籠(往来安全燈)があり、「往来安全 池田四里 伊丹二里半 高麗橋一里 長柄二十町 伝法一里」と記されています(旧鉄橋時代に建立された往来安全燈)。
設計者の増田淳は、武庫大橋(兵庫県尼崎市・西宮市)、吉野川橋(徳島県徳島市)、長浜大橋(愛媛県大洲市)、白鬚橋(東京都荒川区・台東区)、千住大橋(東京都荒川区・足立区)など美しいデザインの橋で知られています。
十三大橋 | |
名称 | 十三大橋/じゅうそうおおはし |
所在地 | 大阪府大阪市北区中津〜淀川区新北野 |
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