和歌山県白浜町のテーマパーク「アドベンチャーワールド」で飼育するパンダ4頭が、2025年6月末ごろに中国に返還されるという発表が行なわれましたが、パンダのラッピングをした愛らしい特急「パンダくろしお号」を運転するJR東日本は、この発表が寝耳に水。「パンダくろしお号」はどうなるのでしょう?
「各方面との話し合い」で、今後の展開が決まる!
南紀白浜の「アドベンチャーワールド」は、2025年4月24日(木)、ジャイアントパンダ「良浜」(らうひん/24歳)と、その子どもの「結浜」(ゆいひん/8歳)、「彩浜」(さいひん/6歳)、
「楓浜」(ふうひん/4歳)という4頭のメスを飼育していますが、すべてを今年6月末ごろに、中国・四川省成都市成華区にある成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地に返すことが決まったと発表しました。
1994年から日中双方で取り組んできたジャイアントパンダ保護共同プロジェクトの契約期間が2025年8月で満了するため、中国側と話し合った結果、全頭が返還されることに。
6月が選ばれたのは、暑い夏を避け、比較的涼しい6月にということから。
4頭の中国返還で、日本国内で飼育されるジャイアントパンダは東京・上野動物園の2頭のみとなります。
ただし、「アドベンチャーワールド」ではオスのジャイアントパンダ「永明」(えいめい)がやってきたのは31年前の1994年で、以降日中共同の繁殖研究プロジェクトが進められ、2000年にメスの「良浜」が生まれたのを最初に、2020年にメスの「楓浜」が生まれるまで、17頭のジャイアントパンダが誕生するという飼育・繁殖実績があり、「共同プロジェクトの継続を強く願っており、中国側と協議を続けていきます」としています。
これまで白浜生まれのパンダは地名にちなんで名前に「浜」が使われたことから、「浜家」と呼ばれ、国内のパンダファンからも親しまれてきました。
この中国返還は、「パンダに会える町」をPRする白浜町だけでなく、和歌山県にとってもシンボル的な存在だけに、観光にも大きな影響があるのではと懸念されています。
そして、中国返還が寝耳に水で「報道で初めて知った」というのが京都駅〜新大阪駅〜大阪駅〜和歌山駅〜新宮駅に「パンダくろしお号」を運転するJR西日本。
第1編成、第2編成はパンダくろしお「Smileアドベンチャートレイン」、第3編成がパンダくろしお「サステナブルSmileトレイン」という3編成が運転され、パンダのラッピングだけでなく、座席ヘッドカバーにもパンダが描かれるなど、完全にアドベンチャーワールドとのコラボ車輌となっています。
6月までは通常通りの運行ですが、パンダが不在になる7月以降については「これからの対応」ということで、どうなるかは現時点では検討中、「各方面との話し合いが必要」とのこと。
そんな状況で、4月25日(金)から「最後のお別れに行きます」、「今のうちにパンダくろしおに乗車」という人が増え、「パンダ効果」が生まれていますが、はたして7月以降はどうなるのか、先行きは完全に不透明です。
パンダ返還が寝耳に水のJR西日本、どうなる「パンダくろしお号」 | |
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