古墳の多い県 3位は京都府、2位は鳥取県、1位は? TOP20を紹介

古墳の多い県

文化庁の「令和3年度 周知の埋蔵文化財包蔵地数」によれば、古墳の多い県は、やはり西日本が多く、東国では千葉県が4位(1万2772基)、群馬県が12位(3504基)にランクイン。全国ランキングで3位の京都府は1万3103基、2位は鳥取県1万3505基と競っていますが、1位はダントツ1万8707基の兵庫県です。

兵庫県はなぜダントツに古墳が多いのか

五色塚古墳
五色塚古墳(兵庫県神戸市垂水区)は明石海峡の展望台

墳丘長200m以上の巨大古墳は、大仙陵古墳(仁徳天皇陵)の525mを筆頭に、3大古墳はいずれも大阪府にあり、群馬県の1基(太田天神山古墳/210m)、京都府の1基(神明山古墳/200m)を除いて残りの30基余は、すべて大阪府、奈良県、岡山県にあります。

その大阪府は、3428基で13位、奈良県は9663基で8位、そして岡山県が1万1880基で5位にランクインしています。
これを見る限り、ヤマト王権の大王墓が築かれた地に、必ずしも古墳が数多く築かれていないことがわかります。

文化庁の「令和3年度 周知の埋蔵文化財包蔵地数」によると、現存する全国の古墳の数は15万9953基なので、TOPの兵庫県1万8707基は、全国の古墳の11.7%ということになります。
とくに東日本に住む人には「兵庫県=古墳」のイメージはないかもしれませんが、瀬戸内海を眺める五色塚古墳(兵庫県神戸市垂水区/墳丘長194.0m、4世紀末〜5世紀初頭に築かれた前方後円墳)を筆頭にヤマト王権との関係性をうかがわせる古墳も存在します。

なぜ兵庫県に古墳が多いのかは諸説ありますが、瀬戸内海の海上交通を掌握する有力な豪族の存在(高度な土木技術を持った渡来人が暮らしていた可能性も)、摂津(兵庫県南東部)、播磨(南西部)、但馬(北部)という古くから拓けた土地があり、石材の産地でもあったこと(高砂市の「竜山石」、加西市の「高室石」など)など、古墳を築く上での好条件が揃っていたこともあるでしょう。

弥生時代の青銅製の鋳物、銅鐸(どうたく)の出土数も南あわじ市の7点を筆頭に、県全体では68点もあり、こちらも日本一を誇っています。
つまりは弥生時代から大きなムラがあり、海上交通を掌握する豪族が生まれてクニを形成し、畿内のヤマト王権と密接な関係性を築いていたのだと推測できます。

日本海側の但馬、豊岡市でも大正元年に4点の銅鐸が石切場で見つかっているほか、古墳時代には前方後円墳が築かれているので、ヤマト王権と出雲との間で、栄華を誇った古代豪族が暮らしていたのかもしれません。

古墳の多い県 TOP20

順位県名古墳数最大の古墳
1位兵庫県1万8707五色塚古墳・194m(神戸市垂水区)
2位鳥取県1万3505北山1号墳・110m(湯梨浜町)
3位京都府1万3103網野銚子山古墳・201m(京丹後市網野町)/日本海側最大
4位千葉県1万2772内裏塚古墳・144m(富津市)/南関東最大
5位岡山県1万1880造山古墳・350m(岡山市北区)/全国4位の巨大古墳
6位広島県1万1334三ツ城古墳(1号墳)・92m(東広島市)
7位福岡県1万759岩戸山古墳・135m(八女市)/筑紫君磐井墓と推測されています
8位奈良県9663見瀬丸山古墳・330m(橿原市)/全国6位の巨大古墳
9位三重県7128御墓山古墳・188m(伊賀市)/東海地方最大
10位岐阜県5218昼飯大塚古墳・150m(大垣市)
11位静岡県3837谷津山古墳・110m(静岡市)
12位群馬県3504天神山古墳・210m(太田市)/東日本最大
13位大阪府3428大仙古墳(仁徳天皇陵)・(堺市堺区)・525m/日本最大
14位埼玉県3114二子山古墳・132m(行田市)
15位愛知県3104断夫山古墳・150m(名古屋市)
16位長野県2808森将軍塚古墳・100mm(千曲市)
17位島根県2710スクモ塚古墳・96m(益田市)
18位香川県2252富田茶臼山古墳・139m(さぬき市)/四国最大の古墳
19位石川県2107秋常山1号墳・140m(能美市)
20位茨城県1840舟塚山古墳・186m(石岡市)/東日本第2位
古墳の数は文化庁の「令和3年度 周知の埋蔵文化財包蔵地数」による
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