埼玉県秩父市、大正時代から秩父でで繁栄した秩父銘仙問屋の建物を再生したのが秩父ふるさと館(旧柿原商店店舗)。秩父ふるさと館の建物は、「柿原商店」の木造2階建て店舗兼主屋、3棟の蔵など、大正から昭和初期に建てられたもの。建築当初のまま修復され国の登録有形文化財にもなっています。
秩父銘仙の繁栄を今に伝える商家
秩父銘仙(ちちぶめいせん)は、埼玉県では江戸木目込人形、春日部桐箪笥、岩槻人形とともに国の伝統的工芸品にも指定される秩父の織物。
養蚕の盛んだった秩父で、規格外の繭(まゆ)を使い「秩父太織」(ちちぶふとおり)と呼ばれる野良着を生産したところ、評判となり、その後、品質堅牢さから「鬼秩父」、「鬼太織」と呼ばれてお洒落を楽しむ普段着の絹織物となったのです。
明治時代から「めいせん」(銘撰)と呼ばれ始め、明治41年に坂本宗太郎が「ほぐし捺染」(ほぐしなせん)を確立し、「秩父銘仙」という名で全国に広まりました。
秩父銘仙最盛期の昭和初期には、500軒〜600軒ほどの機元(はたもと)が年間約240万反を織り、養蚕業を含めると秩父の住民の7割が織物関連に携わっていたといわれています。
秩父往還沿いに建つ旧柿原商店店舗は、まさにそんな繁栄の象徴する貴重な建物。
『秩父夜祭』が日本三大曳山まつりに数えられ、豪華な屋台があるのも江戸時代以降の養蚕業、織物業の繁栄があってのこと。
町のシンボルでもある秩父ふるさと館(旧柿原商店店舗)ですが、現在は、地域の物産展示・購入、郷土料理を味わうことのできる手打ちそば屋、着物の着付けも体験できる施設になっています。
秩父往還に沿って北側には、明治12年築の商人宿を再生した「ほっとすぽっと秩父館」、文化7年(1810年)頃の築という「武甲酒造 柳田総本店」もあり、南側には「秩父豚肉味噌漬本舗せかい」もあるので、町並みの散策を。
秩父銘仙に関しては、昭和5年築の旧埼玉県繊維工業試験場秩父支場を再生した「ちちぶ銘仙館」で詳しく解説されています。
秩父ふるさと館(旧柿原商店店舗) | |
名称 | 秩父ふるさと館(旧柿原商店店舗)/ちちぶふるさとかん(きゅうかきはらしょうてんてんぽ) |
所在地 | 埼玉県秩父市本町3-1 |
関連HP | 秩父市公式ホームページ |
電車・バスで | 西武秩父線西武秩父駅から徒歩20分。または秩父鉄道秩父駅から徒歩15分 |
ドライブで | 関越自動車道花園ICから約25km |
駐車場 | 17台/無料 |
問い合わせ | 秩父ふるさと館 TEL:0494-23-7300 |
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