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百済寺

百済寺

金剛輪寺、西明寺と並んで湖東三山のひとつに数えられるのが東近江市にある百済寺(ひゃくさいじ)。もともと歴史のある湖東三山ですが、百済寺は、もっとも歴史のある寺。飛鳥時代に聖徳太子の勅願によって創建され、朝鮮半島の古代国家・百済(くだら)の梵閣龍雲寺(ぼんかくりゅううんじ)を模して造られたためその名があります。

本尊の十一面観音立像は聖徳太子の自刻との伝承が

創建当初はそのまま「くだらじ」と呼んでいて、暦(こよみ)を日本に伝えた観勅(かんろく=7世紀初頭の百済出身の僧)もこの寺にいたと伝えられています。
ただし、それら歴史を裏付ける史料はありませんが、当時、この地が渡来人文化の中心地だったことは容易に想像でき、663年の白村江の戦いで国の失った百済王族など渡来人の氏寺だったのかもしれません。

本尊の十一面観音立像は「植木(うえき)観音」と呼ばれ、聖徳太子の自作と伝えられています。
平安時代、天台宗に改宗し、比叡山の門徒として300余り坊の搭頭を数え、「湖東の小比叡」と呼ばれ大いに栄えました。

天正元年(1573年)、比叡山延暦寺と対立した織田信長の焼き討ちで全山が焼失しています。
百済寺が信長に敵対した六角義賢・義治父子立てこもる鯰江城(なまずえじょう=観音寺城の支城)と結んだので、ほかの湖東三山にない激しい焼き討ちにあっています。

現存する本堂、仁王門、山門などの諸堂は江戸時代初期に彦根藩主・井伊氏の奇進で甲良大工の手によって建てられたもの。
慶安3年(1650年)再建の本堂は、国の重要文化財。
また石垣を多用した城塞化した坊跡群は「百済寺遺跡」と呼ばれ、天台寺院としての百済寺の大きな特徴で、境内全体が国の史跡になっています。

本坊・喜見院(きけいん)の池泉回遊式庭園(百済寺庭園)は、昭和15年に仁王門脇から移転したもので鈴鹿山脈を借景にする名園。
寺宝拝観は事前に予約が必要です。

新緑、紅葉の名所ですが例年、紅葉の見頃は11月中旬〜12月上旬。

映画のロケにも多く使われ、平成29年公開の映画『関ヶ原』では、書院・庭園を伏見・石田屋敷見立て、石田三成(岡田准一)が庭石に座るシーンなどを撮影。
平成27年公開の『駆込み女と駆出し男』では縁切寺として名高い鎌倉・東慶寺の中門、参道として百済寺が使われています。
時代劇では、『剣客商売 鬼熊酒屋』、『雲霧仁左衛門2』、『三屋清左衛門残日録』、『功名が辻〜第11話 仏法の敵〜』などに使われています。

百済寺
名称 百済寺/ひゃくさいじ
所在地 滋賀県東近江市百済寺町323
関連HP 百済寺公式ホームページ
電車・バスで 近江鉄道本線八日市駅からタクシーで15分、または名神ハイウェイバス百済寺下車(超特急は通過)、徒歩20分
ドライブで 名神高速道路湖東三山スマートICから約7km
駐車場 220台/無料
問い合わせ 百済寺 TEL:0749-46-1036/FAX:0749-46-2096
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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