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打下古墳

打下古墳

平成13年11月7日、高島市の東南、日吉神社背後の明神崎の山腹で行なわれていた打下浄水場配水施設工事現場から人骨(頭蓋骨)が出土したことから発掘調査が行なわれ、箱形石棺、鉄刀一振りと鉄剣一口が発見され、ここが古墳であることが判明し、打下古墳(うちおろしこふん)と名付けられました。

琵琶湖の海上交通を掌握した豪族の墓

打下古墳から乙女ヶ池を眺望

出土した人骨は40歳〜60歳前後の男性で、身長は155cm。
長さ205cm、最大幅42cm、高さ30cmの箱形石棺のなかに仰臥伸展葬(ぎょうがしんてんそう/仰向け)で埋葬されていました。
出土した鉄鏃から5世紀前半(古墳時代中期)の造営と推測されます。

打下古墳出土の頭蓋骨から復顔して、生前の顔立ちを推測することができました(高島歴史民俗資料館に収蔵展示されています)。
酸性土壌の多い日本では、頭蓋骨が発見されることは珍しく、こうした復顔はまさに奇跡的。

高島市には継体天皇の父・彦主人王(ひこうしおう)が被葬者とされる田中王塚古墳などもあり、近年では九州地域の影響を受けた横穴式石室が発見されるなど、ヤマト王権との関係はもちろんのこと、九州、日本海地域と活発な交流があった場所だったことがわかっています。

琵琶湖湖畔の日吉神社から打下古墳に上ることができますが(徒歩15分ほど)、打下古墳からは眼下に琵琶湖の内湖である乙女ヶ池や琵琶湖を眺望。
逆に琵琶湖からもよく見える山上に位置することから、古代に琵琶湖の湖上交通を支配した豪族の墓だということがわかります。

打下古墳
名称 打下古墳/うちおろしこふん
所在地 滋賀県高島市勝野
関連HP 高島市公式ホームページ
電車・バスで JR近江高島駅から徒歩30分
ドライブで 湖西道路真野ICから約24km
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

乙女ヶ池

2018年9月2日

 

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