島根県邑南町(おおなんちょう)にある美しい渓谷が断魚渓(だんぎょけい)。中国地方最大の長河・江の川の支流、濁川(にごりがわ)の中流部にある景勝地。中世代白亜紀~新生代古第三紀にかけて噴出した火山の産物である流紋岩、凝灰角礫岩、溶結凝灰岩を削ってできた渓谷で国の名勝になっています。
『山陰鉄道唱歌』にも唄われた絶景
明治時代の文豪・大町桂月(おおまちけいげつ)や巌谷小波(いわやさざなみ)らの紀行文で紹介され、明治44年11月に発表された『山陰鉄道唱歌』にも「尚石州に向かいなば 浜田津和田の現るる 矢上の川の断魚渓 絵にも及ばぬ景色あり」(33番)と唄われています。
両岸から駒次山(422.7m)、権現山(591.6m)が迫り、蛇行する濁川が峡谷を形成。
濁川の下流部(井原川の合流点より下流域)の土地が隆起したため、河川に傾斜が生じ、激しく浸食することで断崖を伴う峡谷が誕生したもの。
断魚渓という名は、下流の神楽淵にある断魚の淵から上流に鮎が遡上できないことに由来。
4kmに渡って奇岩・怪石が連なり、いたるところに滝や深淵などを造り出しています。
自然が彫刻した景観美は24景あり、とくに嫁ヶ淵、神楽淵、連理ヶ滝、通仙橋、箕の腰が代表的。
一帯は「断魚渓・観音滝県立自然公園」に指定され、4月初旬の桜、5月初旬のツツジは見事。
紅葉は例年10月下旬~11月下旬頃。
国道261号が併走していますが、ハイライト部分はバイパスとなってトンネルで抜けているため、道路から渓流の流れる川底へは階段となる遊歩道で下る仕組みに。
渓流沿いに「中国自然歩道萩原山断魚渓コース」が通じていますが増水時などには注意が必要。
名称 | 断魚渓/だんぎょけい |
所在地 | 島根県邑智郡邑南町井原 |
関連HP | 邑南町観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR広島駅新からJRバス大田バスセンター行きで1時間49分、断魚渓下車すぐ。またはJR因原駅からタクシーで10分 |
ドライブで | 浜田自動車道瑞穂ICから約16km |
駐車場 | 50台/無料 |
問い合わせ | 邑南町観光協会 TEL:0855‐95‐2369 |
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