大阪、神戸、京都などを起点に、車や鉄道、高速バスの利用で、手軽に旅できる範囲で、冬でも温暖なポカポカ陽気の場所はどこにあるのでしょう? 関西では昔から南国イメージで売る南紀・白浜温泉が有名ですが、西風を受けるのが難点。気温だけでなく、西風を受けず、体感的にも温かな「避寒の地」を探します。
南紀VS高知、どちらがより温かい!?
まずは比較できる科学的なデータとして、冬の平均気温のデータを見てみましょう。
大阪・神戸の1月の平均気温は、最低が2度、最高が9度、2月も同様に最低が2度、最高が10度です。
京都市は少し寒く、1月の平均気温は、最低が1度、最高が9度、2月は最低が1度、最高が10度です。
関西で温かな土地というとまず連想されるのが南紀(和歌山県の南部)。
実は、和歌山県の北部は大阪・神戸と同様に瀬戸内海式気候ですが、南紀と呼ばれる県南は太平洋岸式気候に属し、黒潮の影響を受け温暖な気候。
本州では南房総、南伊豆、高知県の海岸部などとともに、貴重な無霜地帯(むそうちたい)になっています。
まずは昭和初期に「全国一の避寒地」と謳われた南紀・白浜温泉(和歌山県西牟婁郡白浜町)を見てみましょう。
1月の平均気温は、最低が5度、最高が10度、2月は最低が6度、最高が11度で、最高気温は1度しか変わりませんが、最高気温は3度〜4度高く、無霜地帯であることがよくわかります。
県北の和歌山市(1月の平均気温5.6度、2月5.4度)と比べ冬の平均気温が2度以上温かいのが、本州最南端の潮岬(串本町/1月7.9度、2月7.2度)。
1月の平均気温は、最低が4度、最高が11度、2月は最低が5度、最高が12度で、最低気温では白浜温泉に負けるものの、最高気温はさすがに紀伊半島で最も高く、温暖な場所であることがわかります。
沖に黒潮の流れる潮岬は温暖ですが、岬先端が草原状になっているのは、風が強いから。
避寒の地という観点からは、潮岬を東に回り込んだ太地町がおすすめでしょう。
捕鯨で知られる町ですが、吉野熊野国立公園に指定された美しいリアス式海岸が続いています。
大阪〜太地は特急「くろしお」で4時間弱かかるので、できれば2泊以上したい場所です。
大阪・神戸からなら淡路島を抜け、高知を目指す手もあります。
高速バスでも5時間ほどの移動と少し長旅になるのが難点ですが、1月の平均気温は、最低が1度、最高が12度、2月は最低が2度、最高が13度と最高気温は南紀に負けていません。
注意したいのは、温暖と思われがちな室戸岬。
1月の平均気温は、最低が3度、最高が9度、2月は最低が3度、最高が10度で、実は大阪・神戸とあまり変わらないのです。
高知県でも西端部の足摺岬は、1月の平均気温が、最低が5度、最高が12度、2月は最低が5度、最高が13度で、かなり温暖、避寒に最適ですが、高速道路利用でも6時間以上かかるので、少し遠いのが玉にキズでしょう。
結論からいえば、やはり大阪・神戸・京都・奈良あたりからなら南紀が避寒に最適で、少し足を伸ばすなら高知県ということに。
関西で冬、もっとも温かな避寒の地はどこ!? | |
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