関東で冬、もっとも温かな避寒の地はどこ!?

関東で冬、もっとも温かな避寒の地

房総半島(千葉県)でも、富津市と鋸南町(きょなんまち)の境に立ちはだかる鋸山(のこぎりやま)を越えた南房総は、上着がひとつ減るともいわれますが、実際に、もっとも温かな場所はどこでしょう? 気温だけでなく、西風を受けず、体感的にも温かな「避寒の地」を探します。

南伊豆VS南房総、どちらがより温かい!?

関東で冬、もっとも温かな場所
南房総市千倉町の白間津の花畑は1月〜3月に花摘みも可能

まずは比較できる科学的なデータとして、冬の平均気温のデータを見てみましょう。
東京・横浜の1月の平均気温は、最低が2度、最高が10度、2月も同様に最低が2度、最高が10度です。
さいたま市は少し寒く、1月の平均気温は、最低がマイナス1度、最高が9度、2月は最低が0度、最高が10度です。

まずは房総半島の平均気温から。
鋸山の北側、富津市の1月の平均気温は、最低が3度、最高が10度、2月も同じで最低が3度、最高が10度と東京・横浜に比べて最低気温だけ1度高く、最高気温は同じです。

鋸山の南に位置する鋸南町だと、1月の平均気温は、最低が3度、最高が11度、2月は最低が4度、最高が11度と確かに、データ的にも少しだけ温かいことがわかります。

房総半島でもっとも温かいのは、房総半島の南端・野島崎周辺の館山市平砂浦・南房総市白浜あたりですが、実は気温的には鋸南町と同じです。
何が違うのかといえば、水仙群落地でも知られる鋸南町は、東京湾に面しているため、冬場に季節風(西風)を受ける点。
洲崎を回り込んだ野島崎周辺は、西風を受けることがなく、黒潮が沖を流れる温暖な海洋性気候を享受できるのです。

そのため、初春から花狩が楽しめるお花畑が展開しますが、房総半島でも希少な霜の降りない無霜地域で、温州州ミカンやビワの営利的栽培の北限、そしてサトウキビ栽培北限地にもなっています。
南房総館山は、サンゴの北限にもなっていて、温かな黒潮が沿岸まで押し寄せるため、20種〜30種のサンゴを観察することができます。

黒潮が入り込み、夏に涼しいことで一躍脚光を浴びた外房・勝浦は、1月、2月とも2度・11度で避寒地としては最低気温がやや弱い存在です。

三浦半島も温暖な土地の候補地ですが、南端の城ヶ島(初春には鋸南町と同様に水仙が咲きます)は、房総半島の富津市とほぼ同じで、残念ながら温かさを実感できるほどではありません。

もうひとつの候補地、伊豆半島はどうでしょう。
避寒の地としても人気の温泉地、熱海・伊東は、1月、2月ともに3度・11度で南房総エリアに匹敵する温かさです。
さらに伊豆半島を南下して河津桜で知られる河津町、そして下田市、南伊豆町の南伊豆エリアだと、1月、2月の平均気温は、ともに最低が5度、最高が11度で、南房総に比べて最低気温が高く、しかも西風が山に遮られるため、体感的にも関東でいちばん温かく感じられることになります。

水仙咲く須崎半島も無霜地帯として有名で、南伊豆の斜面では、無霜という気候を活かしてマーガレットやキンギョソウが栽培されています。
また移植ですが、弓ヶ浜(南伊豆町)に流れ出す青野川河口は、マングローブの北限、そして石廊崎に近いヒリゾ浜(南伊豆町)ではサンゴ礁が観察できます。
2月になると、青野川沿いでは、河津桜と菜の花の競演が見事で、ひと足お先に春を実感することができます。

結論をいえば、首都圏から移動が少し遠くてもいい場合は、南伊豆の東側海岸部(河津浜〜下田〜弓ヶ浜〜石廊崎)、近場で済ませるなら南房総・千倉あたりということになります。

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