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御前埼灯台

駿河湾と遠州灘を二分する御前崎(おまえざき)の先端の高台に建つのが御前埼灯台。黒潮と駿河湾の潮流が、激しくぶつかり合う沖合いは昔から海の難所として恐れられてきました。1635(寛永12)年に見尾火灯明台(みおびとうみょうだい)を置いたのが前身です。伊豆半島南端・石廊崎よりも南で、静岡県最南端になっています。

R.H.ブラントン設計の歴史的な灯台は参観OK

見尾火灯明台は、油を染み込ませた障子で囲んだ中に灯火を置いたものですが、藩政時代には御前崎沖が江戸と上方を結ぶすでに重要な航路であり、海の難所だったことがわかります。
明治4年4月8日、旧幕府が建造した軍艦が、 灯明台沖合いのセイゴ根に座礁した事件が起こり、これを機に明治政府は灯明台を八角形のガラス張りに改装。翌明治5年にイギリス人技師、リチャード・ヘンリー・ブラントンの設計・指導の元で様式灯台の建設が始まり、明治7年5月1日に初点灯しました。「日本の灯台50選」のひとつで、全国に23基しかないAランクの保存灯台。近代化産業遺産群。

灯火の回転式1等フレネルレンズ(フランス製)は日本初のもの(現在は、第3等大型フレネル式レンズ)。またレンガ造りの灯台として参観できる日本最古の灯台にもなっています。

らせん階段を上って灯火部分に立とう!

現在でも基本的な構造は当時のままで、内部の見学も可能です(参観灯台)。灯火部分まで上れば、海抜54m(地上から構造物の頂部まで22.5m)、御前崎ナンバーワンの眺望を得ることができます。晴れていれば、伊豆半島、富士山、南アルプス、遠州灘という大展望が広がります。10秒置きに光を発し36km先の沖合まで届きます。
ただし、通年、風の強い場所であることに留意し、季節によっては防風対策が必要。

昭和32年に封切られた映画『喜びも悲しみも幾歳月』(松竹映画・木下恵介監督、佐田啓二・高峰秀子主演)のロケ地にもなっているほか、TVアニメ『大空魔竜ガイキング』(フジテレビ系昭和51年〜昭和52年放送)では、大空魔竜戦隊の秘密基地となったのが灯台一帯。

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御前崎周辺に現存する明治時代の灯台3基

現在、全国で活躍する灯台のうち、明治時代に建造されたものは60基あまり。清水海上保安部管轄にも御前埼灯台を含め3基あります。清水区三保にある清水灯台(通称:三保灯台)は、明治45年に造られた日本初の鉄筋コンクリート造りの灯台で、Aランクの保存灯台、近代化産業遺産群になっています。
もうひとつが、磐田市の天竜川河口左岸にある掛塚灯台で、こちらは明治30年に造られた灯台。天竜川河口の輪中に位置する掛塚港(明治以前は掛塚湊)は、遠州随一の港としての栄華を誇っていました。そんな歴史を物語る掛塚灯台は、上部が鉄造、下部がコンクリート造という個性的な灯台です。

御前埼灯台
名称 御前埼灯台/おまえざきとうだい
所在地 静岡県御前崎市御前崎1581
関連HP 御前崎市公式ホームページ
電車・バスで JR静岡駅から静鉄バス特急御前崎サンホテル行きで1時間31分、灯台入口下車、徒歩5分
ドライブで 東名高速道路相良牧之原ICから約23km
駐車場 80台/無料(海岸道路沿いの駐車場から階段を利用)
問い合わせ 燈光会御前崎支所 TEL:0548-63-2550
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

参観灯台としては日本最古、国の重要文化財・御前埼灯台が、150周年!

明治7年(1874年)5月1日に初点灯した御前埼灯台(おまえざきとうだい/静岡県御前崎市)。遠州灘に突き出した灯台は、江戸時代の灯明台を前身に、「灯台の父」リチャード・ヘンリー・ブラントンの設計で、国の重要文化財。しかも参観灯台で、令和6年

海上保安庁の保存灯台Aランク 東海4灯台

海上保安庁の保存灯台Aランクは、全国に23しかありませんが、そのうち東海地方には4灯台が。ブラントン設計の神子元島灯台(静岡県)、御前埼灯台(静岡県)、菅島灯台(三重県)と、日本で最初の鉄筋コンクリート造りの灯台の清水灯台(静岡県)です。神

御前崎

静岡県御前崎市、静岡県最南端に位置し(石廊崎より南です)、太平洋に突き出すようなかたちの岬が、御前崎。駿河湾(御前崎と石廊崎を結ぶ線の内側が日本一深い駿河湾)と遠州灘(御前崎から伊良湖岬を結ぶ沿海)に囲まれ、夏は海水浴や磯遊び、年間を通じて

石廊埼灯台

静岡県賀茂郡南伊豆町石廊崎(いろうざき)、伊豆半島最南端、石廊崎の先端、海抜60mの断崖に建つのが石廊埼灯台。明治4年、英国人ブラントンが建設、昭和8年にコンクリート製に改築したもので「日本の灯台50選」のひとつ。灯台からさらに進むと、断崖

御前埼灯台特別公開

毎年「海の日」に実施される清水海上保安部主催の恒例行事。御前崎の先端の台地上に建つ御前埼灯台は、参観灯台。つまりは強風などの悪天候でない限りは灯火の部分まで上ることができます。「海の日」に限っては、入塔料が無料に!特別公開日にはイベントも用

 

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