静岡県掛川市、横須賀藩の城下町で、「昔町」と呼ぶのにピッタリの横須賀の鎮守社が、三熊野神社(みくまのじんじゃ)。社伝によれば、大宝元年(701年)、文武天皇の皇后が聖武天皇の出産の折、紀州熊野権現の本宮を遷して建立したという古社で、神仏習合時代の熊野三所権現。
「遠州の熊野三山」のひとつで、熊野本宮を勧請した古社
熊野三山(熊野三所権現/現在の熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)同様に、熊野本宮大社を海岸部の横須賀に、熊野那智大社を小笠山(現・小笠神社/掛川市入山瀬、小笠山の山頂)に、新宮の熊野速玉大社を高松(現・高松神社/静岡県御前崎市)の地に遷座したと伝えられ、まさに「遠州の熊野三山」。
実際に熊野信仰が流布するのは平安時代なので、大宝元年(701年)創建の産土神に、舟運などによってもたらされた熊野信仰が加わったのかもしれません(ちなみに静岡県内で、もっとも熊野系の寺社が集中しているのは袋井市です)。
建武の新政直後の建武2年(1335年)には新田義貞(にったよしさだ)が戦勝祈願のため、楠木正成(くすのきまさしげ)の鈴を奉納。
往時の社殿は戦国時代に焼失後、天正年間(1573年〜1592年)に初代横須賀城主・大須賀康高(おおすがやすたか)が再建ししています。
現存する本殿は、幕末の安政2年(1855年)の再建。
子授け、安産、縁結び、災難除にご利益があり、「延宝7年(1679)寄進」と刻まれた狛犬は必見。
また毎年4月第1金・土・日曜に開催される『遠州横須賀三熊野神社大祭』では、13の字町から祢里(ねり)が町中を引き回される「祢里行列」があり、往時の繁栄を今に伝えています。
4月第1日曜には『神子抱き神事(子授け神事)』も齋行。
三熊野神社 | |
名称 | 三熊野神社/みくまのじんじゃ |
所在地 | 静岡県掛川市西大渕5631-1 |
関連HP | 三熊野神社公式ホームページ |
電車・バスで | JR袋井駅から静鉄ジャストライン(大東支所・横須賀車庫前行き)で22分、新横須賀下車、徒歩10分 |
ドライブで | 東名高速道路袋井ICから約13km、掛川ICから約13km、菊川ICから16km |
駐車場 | 8台/無料 |
問い合わせ | 三熊野神社 TEL:0537-48-2739 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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