静岡県榛原郡川根本町を流れる大井川の上流部、南アルプス山中に築かれた多目的ダムが、長島ダム。大井川総合開発事業の中核施設で、誕生したダム湖が接岨湖(せっそこ)です。ダム建設で大井川鐵道井川線がアプト式に転換され、「南アルプスあぷとライン」の愛称が付けられています。
しぶき橋からダム堰堤を見上げることも可能
堤高109.0m、堤頂長308.0mの重力式コンクリートダムで、ダム建設により井川線が水没するため、井川線の付け替えが行なわれ、川根市代駅(現・アプトいちしろ駅)〜長島ダム右岸(長島ダム駅を新設)までの急勾配区間に、アプト式(ラック鉄道)を採用。
かつて信越本線の碓氷峠越えで採用され、その後廃止となったアプト式(ラック鉄道)の復活で、国内唯一の鉄道アプト式区間となっています。
ダム建設で誕生したダム湖(接岨湖)を渡る2本の鉄橋を「レインボーブリッジ」と名付け、橋の間に奥大井湖上駅を新設しています。
レインボーブリッジは、その後、東京・お台場の東京港連絡橋が「レインボーブリッジ」という愛称が付けられたため、元祖「レインボーブリッジ」ながら、「奥大井レインボーブリッジ」と通称されています。
接岨湖は、大井川水系では井川湖(井川ダム)、畑薙湖(畑薙第一ダム)に次ぐ貯水量のダム湖で、大井川三大ダム湖ともいえる湖です。
夏場など、雨の多い洪水期間中は、豪雨の際にダムで貯められる水を多くするため、ダム水位を洪水期制限水位(EL.453.00m)まで低下させ、逆に秋〜春の渇水期には必要な量だけ放流し、EL.470.0mのところまで水を貯めています。
長島ダムから上下流500mは遊漁の禁止区域です。
長島ダムは、「地域に開かれたダム」として、ダム天端は展望台になっています。
事前予約が必要ですが、ダムの内部見学も可能(祝日と12:00~13:00を除く月曜~金曜の10:00~16:00)。
ダム下を走る静岡県道388号(接岨峡線)沿いにある四季彩公園(傾斜を活かした芝生の公園)横には「長島ダムふれあい館」があり、ビジターセンターとして長島ダム建設の歴史、周辺の自然などを解説しています。
ダム下に架る吊橋は「しぶき橋」と通称、夏は爽快なクールゾーンです。
旧井川線のトンネルが残された大樽広場も必踏のスポットで、トンネルを抜けた先に長島ダムがそびえ立っています。
四季彩公園〜アプトいちしろキャンプ場〜アプトいちしろ駅を結ぶ歩道も、廃線跡で、途中のミステリートンネル(2ヶ所)は真っ暗なため、懐中電灯が必要。
懐中電灯は、「長島ダムふれあい館」、アプトいちしろキャンプ場、アプトいちしろ駅で貸し出しています。
長島ダム(接岨湖) | |
名称 | 長島ダム(接岨湖)/ながしまだむ(せっそこ) |
所在地 | 静岡県榛原郡川根本町梅地3-34 |
関連HP | 長島ダム公式ホームページ |
電車・バスで | 大井川鐵道井川線長島ダム駅から徒歩5分 |
ドライブで | 新東名高速道路島田金谷ICから約48km |
駐車場 | 25台/無料 |
問い合わせ | 長島ダム管理事務所 TEL:0547-59-1021 /FAX:0547-59-1026 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
最新情報をお届けします
Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!
Follow @tabi_mag