栃木県宇都宮市長岡町にある軟質の長岡石(長岡層)の岩肌を利用した横穴墓群が長岡百穴(ながおかひゃくあな)。長岡百穴古墳といわれるように7世紀前期頃に造成された古代の墓。長岡石(軽石凝灰岩)の岩肌を利用して、縦横各1m、奥行き2mほどの穴が東群44基と西群8基の計52基も開いています。
古墳時代に造られた家族墓的な性格のある集団墓地
本来は、横から穴を掘り込んで墓室(ぼしつ)としたもので、墓だった頃には穴は見えていませんでした(築造当時はほとんどの横穴に、扉石があったと推測されています)。
宇都宮丘陵の南斜面に築かれたもので、尾根上に位置する瓦塚古墳群(かわらづかこふんぐん)が、7世紀前半に集中して築かれているため、同時代のものと推定されています。
古墳の横穴式石室(よこあなしきせきしつ)を簡略したものだということから、古墳の被葬者よりも社会的地位が低く、家族墓的な性格をもった集団墓地だと考えられています。
副葬品も発見されていないこと、しかも周辺に古墳も築かれていることから、明らかに身分の違いがあったことがわかります。
崇神天皇の皇子・豊城入彦命(とよきいりのみこと)が東方征伐の際に、この地で激戦となり、戦士した兵士の墓という伝説もあります。
穴の壁面に彫られた地蔵菩薩像などは後世(室町時代〜江戸時代)の作。
残念ながら、この仏像の彫刻が横穴の破壊につながっています。
大谷層(大谷石)上層にあたる長岡層(長岡石)に掘り込まれた横穴墓のため、日本遺産「地下迷宮の秘密を探る旅 大谷石文化が息づくまち宇都宮」の構成資産にもなっています。
長岡百穴 | |
名称 | 長岡百穴/ながおかひゃくあな |
所在地 | 栃木県宇都宮市長岡町373 |
関連HP | 宇都宮市観光コンベンション協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR宇都宮駅から関東バス帝京大学・宇都宮美術館行で15分、豊郷台入口下車、徒歩15分 |
ドライブで | 東北自動車道宇都宮ICから約7.5km |
駐車場 | 15台/無料 |
問い合わせ | 宇都宮市教育委員会文化課 TEL:028-632-2764 |
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