栃木県那須塩原市、那須岳(茶臼岳1915m)の西山麓、西ボッチ(1410.0m)との間にある標高1230m(亜高山帯)、東西250m、南北500mの湿原が沼ッ原湿原(ぬまっぱらしつげん/地形図には「沼原・ぬまっぱら」と表記)。泥炭層の発達する貴重な高層湿原で、湿原植物の宝庫です。
駐車場から徒歩15分、手軽に湿原探勝が可能
沼ッ原湿原へは、那須高原スカイラインで那須ハイランドゴルフクラブを目指し、そこから市道へと入り(那須高原スカイライン側は高架なので市道とは立体交差=黒磯板室IC・板室温泉方面からは左折になります)、沢名川沿いに上流に走ると沼ッ原駐車場(市道は12月上旬頃〜4月下旬頃は積雪のため通行止めになります)。
沼ッ原駐車場の西側に沼原調整池や沼ッ原湿原、西ボッチ山が見渡せる園地が整備されています。
沼ッ原駐車場から沼ッ原湿原までは徒歩15分ほどで到達します(駐車場北側に公衆トイレ、湿原内にトイレはありません)。
湿原の生態系維持の観点から、ペット同伴は不可です。
沼ッ原湿原は木道が周回しており、一周30分ほどで探勝可能。
春のザゼンソウ、ハルリンドウ、初夏のズミ、ニッコウキスゲ、コバイケイソウ、夏のノハナショウブ、アカバナシモツケ、初秋のタムラソウ、エゾリンドウなどが観察できますが、とくに7月上旬頃に見頃となるニッコウキスゲ、コバイケイソウは人気の被写体です。
「近年、ニッコウキスゲが鹿の食害で数が減っている」とのことなので、
キノワグマの生息地のため、朝夕や霧などの日には出没の可能性があるので、音を出すなどして対策を。
またニホンザルも出没するのでファミリーは注意が必要。
沼ッ原湿原の南側には沼ッ原調整池(沼ッ原湖)があり、鬼が面山(おにがつらやま/1271m)地下を抜ける水路で深山湖(みやまこ/深山ダムのダム湖)と結ばれ、深山湖を下池、標高1200mの沼ッ原調節池を上池として、その落差517mを利用した発電が行なわれています(鬼が面山の地下にある沼原発電所は世界有数の揚水式発電所)。
江戸時代には三斗小屋宿へ、会津中街道が通っていた!
沼ッ原湿原から北に歩くと、麦飯坂(ばくはんざか)が湯川へと下っていますが、このルートは天和3年(1683年)の日光大地震によって下野街道が水没で通行不能となったため、元禄8年(1695年)に、徳川幕府が開いた会津中街道(会津若松〜小出宿〜松川宿〜大峠〜三斗小屋宿〜麦飯坂・沼ッ原湿原〜板室宿〜矢板宿〜氏家宿)の一部。
三斗小屋宿の北には標高1468mの大峠、南には麦飯坂があって、この一帯は街道一の難所だったのです。
参勤交代にも4度使われており、この沼ッ原湿原湿原を大名行列が抜けたことになります。
麦飯坂にあった一里塚は、江戸から45里目を表すものでした。
江戸時代の末期には修験道の白湯山(はくゆさん)信仰が盛んになり、三斗小屋宿がその登山口として栄えたため、沼ッ原湿原も多くの行者が通り抜ける道になっています。
三斗小屋宿は、慶応4年(1868年)の戊辰戦争(ぼしんせんそう)の際に、会津藩が陣を築いたため、新政府軍との激しい戦闘が行なわれ、三斗小屋宿の14戸が焼失。
沼ッ原湿原 | |
名称 | 沼ッ原湿原/ぬまっぱらしつげん |
所在地 | 栃木県那須塩原市板室地内 |
関連HP | 那須塩原市公式ホームページ |
電車・バスで | JR那須塩原駅、または、JR黒磯駅からタクシーで50分 |
ドライブで | 東北自動車道黒磯板室ICから約24km |
駐車場 | 100台/無料 |
問い合わせ | 那須塩原市産業観光部商工観光課観光係 TEL:0287-62-7156/FAX:0287-62-7223 |
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