中世の豪族の館に始まり、江戸時代は高松藩松平家の下屋敷、明治時代は旧陸海軍の火薬庫、大正時代からは皇室の御料地(白金御料地)と、長い間人が立ち入らない状態が続いたために残った貴重な自然。昭和24年、自然保護のため天然記念物・史跡に指定されると同時に、現在の形で一般にも公開されるようになりました。
松の巨木とひょうたん池は高松藩下屋敷時代の名残
目黒通りに面した正門を入ると、シイの巨木が茂る路傍植物園。さらに奥には少し高台の「館跡」、凹地の水鳥の沼、いもりの池、水生植物園、ひょうたん池、湿地、武蔵野植物園、特別保存地区などが広がっています。
コナラ、ケヤキ、ミズキなどの落葉樹と、スダジイ、カシ、マツなどの常緑樹が混在する森、池や沼もあり、多くの野鳥や虫などを観察できます。
遊歩道には周辺の生き物の解説板も随所に立てられており、わかりやすいので自然観察には絶好の地。
正門横の「教育管理棟」がビジターセンターで、「自然教育園のおいたち」、「自然教育園の森林の変遷」、「自然教育園の鳥」、「今月のみどころ」などが解説され、「かはくオリジナルビデオコーナー」が用意される展示ホール、ミュージアムショップも併設されています。
松の巨木「物語の松」と、その北側のひょうたん池は、高松藩松平家下屋敷時代の大名庭園(回遊式庭園)の面影を残す部分です。
園内北東に位置する大蛇の松(おろちの松)も下屋敷時代からの巨木。
「館跡」は、江戸時代以前、中世の豪族が築いたコの字型の土塁です。
自然教育園は都心の貴重なオアシス! 自然観察には絶好
入園者を対象に日曜観察会や植物生態学セミナーなども開催されているので、公式ホームページのイベント情報を参照(予約が必要です)。
なお、大正6年、宮内省帝室林野局の所管となり、白金御料地となった際、御料地の一部が朝香宮鳩彦王(あさかのみややすひこおう)の邸地となり、昭和8年にアール・デコ建築の朝香宮邸を建築。これが現在の東京都庭園美術館です。
江戸切絵図に見る 高松藩松平家下屋敷
自然教育園向かいの妙円寺、そして増上寺の子院による寺町も現存しています。
国立科学博物館附属自然教育園 | |
名称 | 国立科学博物館附属自然教育園/こくりつかがくはくぶつかんふぞくしぜんきょういくえん |
所在地 | 東京都港区白金台5-21-5 |
関連HP | 国立科学博物館公式ホームページ |
電車・バスで | JR山手線目黒駅東口から徒歩7分、東京メトロ・都営地下鉄白金台駅から徒歩4分 |
ドライブで | 首都高速目黒ランプから約600m |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 国立科学博物館附属自然教育園 TEL:03-3441-7176/FAX:03-3441-7012 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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