東京都文京区根津にある根津神社(ねづじんじゃ)は、社伝によれば日本武尊(やまとたけるのみこと)創建伝承の残る古社。江戸の神社建築としては最大規模という社殿群は国の重要文化財に指定され、江戸時代からツツジの名所として有名。ツツジの見頃は例年4月中旬頃〜5月上旬です。東京十社めぐりの一社にもなっています。
かつての甲府藩江戸下屋敷に徳川綱吉の命で社殿を建立
室町時代に太田道灌により再興され、千駄木の地に社殿が建てられました。江戸時代までの神仏混淆時代には、根津権現として親しまれ、天台宗の医王山正運寺昌泉院が神宮寺(別当)となっていました。
6代将軍・徳川家宣(とくがわいえのぶ)が将軍に定まった折、5代将軍・徳川綱吉の兄で家宣の父でもある徳川綱重(とくがわつなしげ=甲斐甲府藩主で現在の浜離宮は綱重が建てた甲府浜屋敷が前身。35歳の若さで没)が、自らの甲府藩江戸下屋敷を将軍の生誕地として産土神・根津神社に献納。
1705(宝永2)年、徳川綱吉の命により天下普請で現在地に社殿を建立しています。
これが、当地が根津と呼ばれるようになった始まり。
明治の神仏分離で山王神道に基づく根津大権現は廃され、須佐之男命(すさのおのみこと)、大山咋命(おおやまくいのみこと)、誉田別命(ほんだわけのみこと)を祀る神社となりました。
東京大学ができるまでは、門前に根津遊郭があり、いまでもその趣を残した建物が散見できます。
境内のつつじもそのルーツは甲府藩江戸下屋敷に!
江戸の神社建築としては最大規模という総漆塗りの権現造で、社殿、透塀、唐門、楼門が、国指定の重要文化財。
江戸時代からツツジの名所としても知られますが、2000坪のつつじ苑には約50種3000株が植栽され、例年4月中旬頃〜5月上旬頃に開花。
このつつじも実は甲府藩江戸下屋敷時代に、徳川綱重が屋敷の庭に植えたこと由来するもの。
4月中旬〜5月5日に『文京つつじまつり』も開催されています。
また例大祭には、文京区の指定無形民俗文化財でもある神楽『三座の舞』も奉納。
6代将軍・徳川家宣誕生の地(江戸根津邸)として、境内には家宣の胞衣(胎児を包んだ膜と胎盤)を埋めた「徳川家宣胞衣塚」や産湯井戸(非公開)などがあるほか、夏目漱石、森鴎外など文豪ともゆかりがあり、現在水飲み場となっている石の台座は「陸軍医監 森林太郎」と記された、森鴎外により奉納されたもの。
時間内であれば祈祷は予約不要で受け付けてもらえます。
また、注目は国の重要文化財に指定される社殿で厳粛な挙式。
江戸時代にタイムスリップしたかのような雰囲気での結婚式が挙げられます。
『江戸切絵図』に見る 根津神社(根津権現)
根津神社 | |
名称 | 根津神社/ねづじんじゃ Nezu-jinja Shrine |
所在地 | 東京都文京区根津1-28-9 |
関連HP | 根津神社公式ホームページ |
電車・バスで | 東京メトロ千代田線根津駅・千駄木駅、南北線東大前駅から徒歩7分 |
ドライブで | 首都高速一ツ橋ランプから約4.2km |
駐車場 | 23台/有料 |
問い合わせ | 根津神社 TEL:03-3822-0753 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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