東京都東村山市、狭山丘陵の東端に位置する都立公園が、八国山緑地(はちこくやまりょくち)。西武鉄道西武園線・西武園駅の東、西武線の北側に細長く続く雑木林で、コナラ、クヌギが茂る里山が広がっています。宮崎アニメ『となりのトトロ』に登場する七国山のモデルとなった緑地です。
宮崎アニメ『となりのトトロ』の七国山のモデル
比高20mほどの丘陵で、八国山という名は、かつて上野国、下野国(以上、現在の群馬県)、常陸国(茨城県)、安房国(千葉県)、相模国(神奈川県)、駿河国(静岡県=富士山)、信濃国(長野県)、甲斐国(山梨県)の8ヶ国を眺望できたことが由来です。
八国山緑地は、狭山丘陵の自然が残された場所で、とくに施設などは造られていません(5ヶ所の広場があるのみ)。
散策路でコナラ、クヌギの茂る森を歩くというのが楽しみ方です。
コナラやクヌギなどの雑木林は、炭や薪を得るために古くから人々によって維持管理(15年〜20年周期で伐採)されてきた林で、落ち葉は堆肥をつくるのに欠かせないものでした。
人手の入った雑木林は、カブトムシなどの宝庫で、ドングリが落ちることで、野生生物の住処(すみか)ともなっています。
主人公のサツキとメイの母(草壁靖子)が入院している「七国山病院」のモデルとなったと推測される新山手病院、東京白十字病院(ともに昭和13年、財団法人結核予防会が開院)も緑地に隣接して建っています。
宮崎アニメ『となりのトトロ』は、昭和28年の狭山丘陵周辺がモデル。
自然豊かな八国山には当時、国民病ともいわれた結核の療養施設があり、それが「七国山病院」もモデルだったと推測できるのです。
西武鉄道西武園線の南側、北山公園には、東村山市立の展示・体験学習施設「八国山たいけんの里」(入館無料)があり、平成8年に発見された下宅部遺跡の資料が展示されています。
東西11km、南北4km、面積3500haという広大な狭山丘陵には現在、都立公園が5ヶ所(狭山公園、八国山緑地、東大和公園、野山北・六道山公園、中藤公園)あり、昔から雑木林の散策、自然観察などに適しているのが八国山緑地です。
八国山緑地 | |
名称 | 八国山緑地/はちこくやまりょくち |
所在地 | 東京都東村山市諏訪町2・3丁目、多摩湖町4丁目、野口町3・4丁目 |
関連HP | 八国山緑地公式ホームページ |
電車・バスで | 西武鉄道西武園駅から徒歩5分 |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 狭山公園パークセンター TEL:042–393–0154 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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