東京都小笠原村、小笠原諸島・母島列島の主島、母島の南西側にあるのが、向島(むこうじま)。母島の玄関口・沖港からも向こう側に眺められる島で、母島南端の南崎・小富士の西に位置しています。世界自然遺産「小笠原諸島」の構成資産で、オガサワラカワラヒワ、アニジマイナゴの貴重な生息地のひとつ。
母島・沖港の沖合にある無人島
向島は、周囲を海食崖に囲まれた無人島ですが、近年は外来ネズミ類などの捕食によりオガサワラカワラヒワの数が激減しているため、環境省により外来ネズミ類の駆除作業が行なわれています(島への上陸が困難なため、駆除は簡単ではありません)。
母島列島は、新生代古第三紀始新世(4400万年前)以降、太平洋の浅い海で活動した火山群で、陸地化してから3000万年以上も経っているため、浸食が進み、向島の周囲に険しい海食崖を形成しています。
乾性低木林が島全体に繁茂し、開発がされていないため、自然の植生がよく残されています(ハイノキ属のうち、ムニンクロキは向島のみに生育)。
島の西岸にあるコペペ浜は、明治15年(明治9年、小笠原諸島の日本領有が国際的に認められています)に日本に帰化したコペペ(Kopepe)に由来する地名。
コペペは、ギルバート諸島南部(現・キリバス共和国)にあるノノウシ島(Nonouti)の出身で、明治10年に向島に移住し、明治30年頃まで暮らしていました。
戦時中には日本軍が駐留し、戦後は無人島になっています。
向島 | |
名称 | 向島/むこうじま |
所在地 | 東京都小笠原村母島向島 |
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