冬休み、春休み、夏休みJRグループが発売する「青春18きっぷ」。JR全線の普通列車、快速列車の普通車などに乗り降り自由のトクトクきっぷですが、静岡県内や東北地方では、ローカル線を含めてロングシートの車両ばかりで、「ロングシート地獄」、「修行の旅」とも称されています。北を目指す際には要注意です。
「青春18きっぷ」の旅は、すでに修行の世界かも

中京圏や関西圏では、快速列車などに転換クロスシートなどの車両もあって、ひと息つける空間になっていますが、それが許されないのが東海道本線の静岡県内、そして東北地方です。
首都圏を走る上野東京ライン、新宿湘南ライン、常磐線の普通列車は、1号車、2号車などにはボックス席が備わっていて、これを狙えば問題ありませんが、東北を目指して乗り継ぐ場合には、宇都宮駅から先で、「ロングシート地獄」に陥ります。
宇都宮〜黒磯に令和3年から投入されているE131系は、残念ながらオールロングシート。
あまり知られていませんが東北本線は黒磯以南が直流、以北は交流でまたがって走る場合にはE531系(常磐線を走る車両です)という交直両流電車が必要です(E531系は一部セミクロスシート)。
東北本線は新白河を境に、運転系統が分断され、その先は交流のE721系となります。
E721系は、乗降扉の間にボックス式クロスシート2組を配置していますが、ボックス席が限られているので、運よく座れなければ、ロングシートの旅となります。
問題はその先で、東北では701系が主流で、盛岡〜青森間の東北本線を移管したIGRいわて銀河鉄道・青い森鉄道のIGR7000系と青い森701系もこの701系の改良車両。
この701系、平成5年に通勤用初の交流車両として誕生したもの。
そのため701系は原則としてオールロングシートなので、まさに仙台〜青森は乗り継いでも乗り継いでもロングシートの「ロングシート地獄」、「修行の旅」となるのです(青い森701系には一部、セミクロスシート仕様の車両も存在しますが座席争奪戦が展開されます)。
東北の鉄道旅は、往年の「青春18きっぷ」愛用者なら国鉄時代のキハ40系、急行車両のキハ58系というデッキ付きボックスシートの車両も見かけたので、それなりの旅情を味わうことができました。
首都圏、中京圏、関西圏、福岡圏などの通勤電車とは異なり、「旅する実感」が味わえたのです。
そうした鉄道旅の醍醐味は、機能重視のオールロングシート通勤型車両に置き換わったこともあり、大いに失われたのです。
そして「青春18きっぷ」での旅はいつのまにか「ロングシート地獄」、そして「修行の旅」へと置き換わっていったのです。
「寿命半分・価格半分・重量半分」というキーワードで生まれた209系は使い捨てカメラ「写ルンです」をもじって、「走ルンです」というあだ名が付けられ揶揄されましたが、まさに東北の普通列車乗り継ぎの旅は、そうした経済効率優先を実感させることになります。
ただし、ローカル線は赤字を抱えるケースが多く、効率化はいたしかたないことなのかもしれません。
「青春18きっぷ」の旅は、すでに修行の世界に突入しているのかもしれません。
| 【青春18きっぷ利用者必読】東北地方は「ロングシート地獄」 | |
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