大分県佐伯市の山間の宇目町に轟(ととろ)地区にある大分バスのバス停が「ととろのバス停」。宮崎駿の長編アニメ『となりのトトロ』(昭和63年4月16日)が公開されると、草壁サツキとメイがネコバスを待つバス停に似ていると話題に。平成12年には新聞報道されましたが、その後はどうなっているのでしょう?
現在は佐伯市コミュニティバスに代わり、バス停も移設
佐伯市の小野市(おのいち)から木浦鉱山(きうらこうざん/スズや鉛などを産出した鉱山で平成11年廃鉱)まで、大分バス(木浦線)が昭和24年4月5日に開通、平日3往復走っていましたが、その途中、宇目町轟地区にあったバス停が「ととろ」。
バス路線が平成25年3月末で廃止され、それに変わって轟地区には佐伯市コミュニティバスが運行しています。
「開通から10年後に地元、轟地区の住民8軒が手作りのバス停を作ったのが『ととろバス停』です」と当時運行を担ったの大分交通は解説しています。
大分バスはバス廃止後も「ととろ」のバス停標識は取り外さずに残していて、その後も待合所とともに現存。
当初は、「せっかくのイメージを壊さないよう、コミュニティーバスは従来のバス停から少し離れた場所に停車する」(佐伯市宇目振興局地域振興課)ということでしたが、大分交通時代の手作りバス停は老朽化によって荒廃。
平成27年2月下旬に地元の人が土地を提供、80m離れた場所に移設し、手直ししてコミュニティーバスの「ととろバス停」として再出発、「訪れる観光客の皆さまの善意と地元の方々の努力で、今も静かなたたずまいを残しています」(佐伯市)ということに。
ととろのバス停から少し離れた場所に、「ととろの森」があり、木の枝などに沢山の小さなトトロが並んでいて、観光名所にもなっています。
大分バス木浦線の終点だった木浦鉱山区には、蓮光寺湧水(豊の国名水に選定)を利用した入浴施設「唄げんかの湯 木浦名水館」が営業。
「しいたけめし」や「だんご汁」などの郷土料理を味わうことができるので、ランチスポットにも絶好です。
宮崎アニメ『となりのトトロ』のモチーフとなった場所は、狭山丘陵の里山ですから、佐伯市宇目南田原轟(ととろ)地区は、まさに偶然。
里山的な雰囲気と合わせると、奇跡的な場所なのかもしれません。
「ネコバスが来る!?」と話題となった大分バス「ととろのバス停」は今!? | |
所在地 | 大分県佐伯市宇目南田原 |
場所 | ととろのバス停 |
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