日本最高所の温泉は、立山黒部アルペンルート途中の最高所、室堂(富山県中新川郡立山町)にある「みくりが池温泉」(2410m)です。地獄谷と呼ばれる噴気を上げる源泉地帯からの引湯ですが、同じく引湯の「雷鳥荘」(2370m)、「雷鳥沢ヒュッテ」(2300m)がTOP3ということに。
日本の高所温泉TOP3をハシゴしよう!
「温泉は、脱衣所などに掲示される温泉分析書の源泉名及び湧出地を確認して、それが異なれば、別の温泉だと認識できます」(温泉ソムリエ・板倉あつしさん)とのことなので、温泉が湧き出す源(井戸)は、あくまで「申請者が申し出た名称」ではありますが、それが異なれば、別の温泉とするのが一般的。
室堂の温泉付き山小屋3軒は、みくりが池温泉(源泉名・みくりが池温泉)、らいちょう温泉雷鳥荘(源泉名・雷鳥温泉)、雷鳥沢ヒュッテ(源泉名・雷鳥沢温泉)で、いずれの宿も自家源泉としているので、別の温泉と考えるのがセオリーとなります。
温泉達人の飯出敏夫さんも「みくりが池温泉、らいちょう温泉雷鳥荘、雷鳥沢ヒュッテに関しては、すべて地獄谷温泉が源泉ですが、それぞれが自家源泉。少し悩ましいところですが、源泉名も異なっています」と解説する。
そのため、「温泉の品格」、「温泉の歴史」、「温泉の個性」を柱に飯出敏夫さんが選定する「温泉百名山」にも立山(3015m)登山基地としてのみくりが池温泉、剱岳(2999m)基地のらいちょう温泉雷鳥荘、雷鳥沢ヒュッテと分けて選定されています。
以上の話は、あくまで厳密にいえばの話で、温泉ツウでなければ、とくに悩む必要もなく、室堂ターミナルを起点にして、夏場にこの3軒をハシゴすれば、日本の最高所に位置する温泉の湯船TOP3を制覇できることに。
3軒を周回しても歩いている時間は1時間ほど。
しかも周囲は「神が降り立つ地」ともいわれる雲上の別天地で、夏山シーズンなら高山植物咲き、雷鳥が遊びます(雷鳥を見かけても追いかけ回さないように、夏は子育てのシーズンなので静かに見守りましょう)。
ただし、3軒とも換気が悪いと倒れてしまうというほどに硫黄分(硫化水素)が強いパワフルな成分なので、1軒入浴するだけでかなり湯疲れしてしまいます。
みくりが池温泉の喫茶で一休みしながら、のんびりと周回するのがおすすめです。
宿泊施設としても下界の旅館レベルの食事、設備はあるので、山小屋初体験派にもおすすめ。
室堂ターミナルに併設された日本最高所のホテル(日本ホテル協会加盟)・ホテル立山に宿泊する半分くらいの予算で泊まることができ、温泉ファン、山の出湯好きには注目の3軒になっています。
ちなみに、雷鳥沢ヒュッテに近い眺望抜群のロッジ立山連峰は、雷鳥沢ヒュッテの姉妹館で、源泉名は雷鳥沢温泉となっています(そのため高所温泉の4位に数えることができません)。
雷鳥沢ヒュッテにある半露天の外湯は、日本最高所の露天風呂ともえいますが、あくまでも半露天で厳密な意味での露天風呂(野天風呂)でないため、露天風呂1位は八ヶ岳・本沢温泉ということに。
地図(国土地理院)/地理院タイル
【地図を旅する】vol.7 日本最高所の温泉宿、TOP3は、立山・室堂に! | |
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