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青谷上寺地遺跡

青谷上寺地遺跡

鳥取県鳥取市青谷町にある弥生時代前期末(2400年前)〜古墳時代前期(1700年前)の集落遺跡が、青谷上寺地遺跡(あおやかみじちいせき)。山陰自動車道の建設に伴って見され、発掘調査で掘立柱の建物跡、火を焚いた跡、貝塚などが発見、貴重な遺物が出土し、青谷上寺地遺跡展示館が建てられています。

出土品1353点が国の重要文化財に指定

出土した遺物の中には、中国大陸や朝鮮半島で製作された銅製品もあり、日本海の交流を物語っています。
周辺に作られた溝の中からは、容器や農具など、多量の木製品、漁労に使用された骨角製品、人骨など、膨大な遺物が出土し、木製品、骨角製品、金属製品などが、保存状態よく地中に埋もれていたことから、「弥生の地下博物館」とも呼ばれるほどに。
遺跡の東側の溝からは、弥生時代後期の100人分を超える5300点の人骨が発見されていますが、うち110点に殺傷痕が見られ、弥生時代の戦闘を物語っています。
脊椎カリエスの病変が確認された2点の骨は、日本における最古の結核症例となっています。

日本海を通じて行なわれた国内外との交易の実態を示す精巧な木製品、 玉類やその製作関連資料、 中国大陸や朝鮮半島由来の銅鏡や銭貨、鋳造鉄製品などがその代表格ですが、生業を示す木製・石製農工具、骨角製の漁労具、戦闘に用いられた武器 ・武具、祭祀に用いられた卜骨や楽器、建築部材、魚(サメ)や船団を描いた絵画資料など、出土品は交易関連資料から、生業や精神文化など弥生集落の具体像を知るうえで、 欠かすことのできない内容です。
しかも当時の造形や加工の痕跡、色彩を具体的に知ることができる超一級の文化財であることから、出土品1353点が国の重要文化財に指定されています。

ミトコンドリアDNAの分析で、青谷弥生人の顔を復元!

発掘された人骨のうち、3個体の頭蓋骨に当時の人の脳が残されていることがわかり(弥生人の脳は国内で初めての発見)、採取したDNAを元に弥生人の顔を国立科学博物館などの研究グループが復元(復顔像を制作したのは、このうちの1個体で、大人の男性)。
ミトコンドリアDNAの分析により、弥生人の父親は以前から日本列島にいた縄文系、母親は大陸からの渡来系だとみられ、本人はやせ型で髪の毛が太いことが判明しています。
遺伝子情報も反映した弥生人の復顔は全国初の試みで、青谷弥生人(あおややよいじん)と名付けられています。

画像協力/鳥取県

鳥取県では復顔を記念して、そっくりさんの募集も実施
青谷上寺地遺跡
名称 青谷上寺地遺跡/あおやかみじちいせき
所在地 鳥取県鳥取市青谷町青谷
関連HP 鳥取市文化財団公式ホームページ
電車・バスで JR青谷駅から徒歩10分
ドライブで 山陰自動車道青谷ICから約1km
駐車場 青谷上寺地遺跡展示館駐車場を利用
問い合わせ 青谷上寺地遺跡展示館 TEL:0857-85-0841/FAX:0857-85-0844
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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