和歌山県日高郡由良町にある臨済宗妙心寺派の寺、興国寺。鎌倉時代初期の安貞元年(1227年)、高野山・金剛三昧院(こんごうざんまいいん)の別当・願性(がんしょう/葛山景倫=源実朝に仕えた武士)が源頼朝の霊を弔うために宋から帰った心地覚心(しんちかくしん/法燈国師)を住職にして創建。
金山寺味噌を伝えた心地覚心が開山
創建時は高野山真言宗で、西方寺と称していました。
その後、後醍醐天皇から寺号の興国寺を賜り、心地覚心が宋から伴った虚無僧(尺八の名手)を住まわせたので以来、普化宗の本山的存在となったもの。
醤油は心地覚心が宋で習得した径山寺味噌(径山寺=中国禅宗五山のひとつ。金山寺味噌とも)の製法が代々と伝えられるなかで生まれたといい、興国寺が日本の醤油醸造のルーツといわれています。
心地覚心は信濃国筑摩郡神林郷(現・長野県松本市)の出身で、信濃国佐久郡下平尾村(現・長野県佐久市)に安養寺も開山し、信州味噌の生みの親ともいわれています。
織田信長の兵火によって往時の伽藍は失われていますが、関ヶ原の戦いの後、初代の紀州藩主となった外様大名の浅野幸長(あさのよしなが)が慶長6年(1601年)、堂宇を再建しています。
毎年1月第2月曜には『天狗祭』が行なわれ、毎年8月15日に盂蘭盆会(うらぼんえ)の精霊送り(しょうろうおくり)として行なわれる『灯籠焼』(とうろうやき)は、鎌倉の時代から続く全国でも珍しい火祭り。
先祖を鎮魂する意味があるほか、豊作祈願や成人儀礼にもなっています。
クライマックスでは読経と鉦の音が響き渡る中、数々の灯籠が燃え上がり幻想的。
興国寺 | |
名称 | 興国寺/こうこくじ |
所在地 | 和歌山県日高郡由良町門前801 |
電車・バスで | JR紀伊由良駅から徒歩10分 |
ドライブで | 阪和自動車道広川ICから約10km |
駐車場 | 100台/無料 |
問い合わせ | 興国寺 TEL:0738-65-0154 |
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