和歌山県田辺市、世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産となる熊野古道・中辺路(なかへち)。熊野九十九王子(くまのくじゅうくおうじ)のひとつで、発心門王子(ほっしんもんおうじ)と伏拝王子(ふしおがみおうじ)の間にあるのが水呑王子(みずのみおうじ)で、熊野本宮大社の奥の院とも伝わる船の神様です。
中世には内水呑王子と呼ばれていた
水呑王子は、平安末期に誕生した王子で、中世までは内水呑(内水飲)王子と呼ばれていました。
藤原宗忠の『中右記』(ちゅうゆうき/正式名:中御門右大臣の日記)に記された天仁2年(1109年)10月の参詣記には「次に内水呑王子に参り奉幣、新王子」と記されていることから、それが裏付けられます。
大門王子あたりに「水飲」があったため、それと区別するため本宮に近いこの地を内水飲と称していたのです。
熊野詣でが廃れた江戸時代に廃絶。
享保8年(1723年)、第6代紀州藩主・徳川宗直(とくがわ むねなお)が緑泥片岩の碑を寄進、廃校となった三里小学校三越分校跡にその碑が現存しています。
碑のある背後の山から道路付近一帯が水呑王子の旧社地だったと伝えられています。
碑の脇にある小さな地蔵尊は腰痛にご利益があるとして地元では有名。
発心門王子からは舗装された林道を歩いても30分ほど。
ドライブの場合には歩行者に注意が必要です。
水呑王子から伏拝王子へは古道らしい山道で徒歩30分ほどの道のり。
名称 | 水呑王子/みずのみおうじ |
所在地 | 和歌山県田辺市本宮町三越 |
ドライブで | 阪和自動車道南紀田辺ICから約65km |
駐車場 | 水呑王子近くの駐車スペースを利用 |
問い合わせ | 田辺観光協会 TEL:0739-26-9929 |
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