富山県高岡市、能登半島国定公園にも指定される富山湾の海岸線が、雨晴海岸(あまはらしかいがん)。海岸沿いにJR氷見線も走り、とくに冬場は富山湾越しに立山三山、劔岳が白屏風のように立ちはだかる絶景を目にすることができます。しかも条件によっては早朝に気嵐(けあらし)を観察することがあります。
冬の冷え込んだ早朝には気嵐も期待できる

地元の人が、「冬の快晴の日には、映画のワンシーンのよう」と称するのが雨晴海岸。
富山湾越しに立山連峰(立山三山、劔岳)を眺望しますが、アクセントとなるのが、女岩(めいわ)。
奈良時代の天平18年(746年)、越中守に任じられ、現在の高岡市にあった国庁に赴任した万葉歌人でもある大伴家持(おおとものやかもち)は、雨晴海岸を数多く歌に詠んでいます。
当時の雨晴海岸の呼称は、渋谿(しぶたに)。
「馬並(な)めて いざ打ち行かな 渋谿(しぶたに)の 清き磯廻(いそま)に 寄する波見に」
(巻17-3954)
「渋谿の 崎の荒磯に 寄する波 いやしくしくに 古(いにしへ)思ほゆ」
(巻17-3954)
は、大伴家持が雨晴海岸の景観を詠んだもの。
馬並(な)めては、「馬を並べてさあ出かけよう」という国庁からの行楽気分を表し、雨晴海岸の磯に打ち付ける波を見るのが目的だとしています。
雨晴海岸という名は、源義経が奥州・平泉に落ち延びる際、ここの岩陰で雨宿りしたという伝説から付いた名。
雨が晴れるのを待ったということだとされますが、実際にこのルートを通ったかは定かでなく、海岸線の気象が不安定ということから付いた名だと推測できます。
富山湾には日本海を流れる暖流、対馬海流が入り込み、冬場の早朝に冷気が入り込むと、海面上に水蒸気が立ち上り、気嵐(けあらし)を生みます。
朝日が当たると海面が黄金色となる絶景で、冬場の11月〜2月、日の出前後の短い時間に見ることができる現象です。

| 【冬の絶景】(7) 富山・雨晴海岸「立山連峰を眺望」 | |
| 名称 | 雨晴海岸/あまはらしかいがん |
| 所在地 | 富山県高岡市太田雨晴 |
| 関連HP | 雨晴観光協会公式ホームページ |
| 電車・バスで | JR氷見線雨晴駅から徒歩5分 |
| ドライブで | 能越自動車道高岡北ICから約9km |
| 駐車場 | 21台/無料 |
| 問い合わせ | 雨晴観光協会 TEL:0766-44-6200 |
| 掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 | |











