山形、秋田両県にまたがる標高2236m(新山山頂)のコニーデ火山(山頂一帯は山形県遊佐町)の鳥海山。山頂と、山麓の吹浦(ふくら)と蕨岡には鳥海山大物忌神社(ちょうかいさんおおものいみじんじゃ)が祀られ、出羽国一宮として崇められてきました。日本の地質百選、深田久弥の『日本百名山』にも選定されています。
出羽富士の名もある美しい火山
火山体の直径は東西約26km、南北約14kmという巨大なもので、美しい姿から出羽富士(山形県側)、秋田富士(秋田県側)と呼ばれ古来から信仰の対象にもなってきました。
鳥海山大物忌神社(明治以前は鳥海山大権現)は鳥海山がご神体で、山頂の社が本社、吹浦と蕨岡が口之宮(里宮)となっています。
2つの二重式火山が複合したもので、侵食が進み鳥海湖を有する西鳥海と新しい溶岩地形の新山などのある東鳥海とからなり、それぞれに中央火口丘と外輪山がある複雑な地形です。
東鳥海カルデラは中央火口丘が新山、荒神ヶ岳。外輪山が七高山(しちこうさん)、行者岳、伏拝岳(ふしおがみだけ)、文珠岳(もんじゅだけ)。
西鳥海カルデラは、中央火口丘が扇子森(せんすもり)、鍋森。外輪山が月山森、笙ガ岳(しょうがだけ)です。
冬期の豪雪は「鳥海氷河」とも呼ばれる雪渓を造り出し、貝形、大股沢の雪渓は氷河のように年間20mも移動しています。
山形県側の大平口なら徒歩5時間で山頂
登山は山形県側の大平口(吹浦口/5時間で御室山頂)、秋田県側の鉾立口(象潟口/4時間30分で御室山頂)から登るルートが一般的。
大平口、鉾立口登山口へは鳥海ブルーライン(山形県道210号鳥海公園吹浦線・秋田県道131号鳥海公園小滝線)が通じており、7月上旬から9月上旬が登山シーズン。
登山シーズンには山頂御室小屋、御浜小屋(御浜参籠所)、河原宿小屋も営業(問い合わせはいずれも鳥海山大物忌神社)。
ちなみに最短の登山ルートは、公園道路湯ノ台滝の小屋線(鳥海高原ライン)を利用する湯ノ台(滝の小屋)ルートで、御室山頂まで3時間40分。
鳥海山大平口(吹浦口)コースタイム
大平(大平山荘)→(伝石坂・見晴台経由1時間10分)→清水大神→(河原宿経由1時間20分)→7合目・御浜小屋(鳥海湖眺望/象潟口・長坂口合流)→(八丁坂経由1時間)→七五三掛(しめかけ)→(千蛇谷ルート経由1時間20分)→山頂御室小屋→(溶岩の岩山をよじ登る/20分)→新山山頂
取材班おすすめ! にかほ市・遊佐町・鳥海登山の宿はここ!
象潟夕日の宿 さんねむ温泉
鳥海山の秋田県側の入口、秋田県にかほ市、象潟駅から徒歩20分の地に建つ2015年4月にオープンした温泉ホテル。
全33室の客室は、ツイン、ファミリールーム(和洋室)、和室など7タイプあり、家族旅行にも絶好です。
源泉かけ流し(単純硫黄泉)の1階大浴場からは日本海、3階展望浴場から鳥海山を眺望。
夕食は日本海御膳などの会席料理、朝食は和定食です。
鳥海温泉 遊楽里
鳥海山の山形県側の入口、山形県遊佐町にある設備充実の公共の宿(温泉ホテル)。
和室(6畳、8畳、10畳)を中心に、ツイン、和洋室(4名利用可能)、特別室(6名まで利用可能)の4タイプあって、ファミリーにも対応しています。
温泉は茶褐色の塩化物泉で、24時間かけ流しで利用可能。
夕食は、庄内豚のしゃぶしゃぶプラン、アワビの踊り焼きプラン、カニのしゃぶしゃぶプランなどが自慢。
料金設定はかなりエコノミーです。
JR吹浦駅またはJR遊佐駅から送迎も可能。
鳥海山 | |
名称 | 鳥海山/ちょうかいざん |
所在地 | 山形県飽海郡遊佐町吹浦鳥海山 |
関連HP | 遊佐町公式ホームページ |
電車・バスで | JR酒田駅前から庄内交通バス鉾立行き(季節運転)で1時間15分、終点下車、徒歩5時間 |
ドライブで | 日本海東北自動車道遊佐比子ICから約25kmで大平口(吹浦口) |
駐車場 | 大平山荘駐車場、まはた、大平口路肩部分に駐車スペース・(20台) |
問い合わせ | 遊佐鳥海観光協会 TEL:0234-72-5666/FAX:0234-72-3999 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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