鳥海山・矢島口登山道(祓川ルート)

鳥海山・矢島口登山道(祓川ルート)

鳥海山の9つある主要ルートのうち、秋田県・由利本荘市側から鳥海山に登るコースが、矢島口登山道(祓川ルート)。鳥海山登山の代表的なコースのひとつで、秋田県側で最も古い歴史を持つ登山道。しかも豪雪地帯のため、夏の遅くまで雪渓が残り、「真夏の雪合戦」を楽しむことができます。

鳥海山北面の残雪の多いルートで、七高山へ

鳥海山・矢島口登山道(祓川ルート)
竜ヶ原湿原の絶景

登山口の祓川は、すでに5合目で、ブナ林(2合目~5合目がブナ林)を抜けた先、標高1200mから登山のスタートとなり、山頂の七高山(10合目/標高2229.0)までは4.4km(標高差1000m強)、休憩を含め登り4時間~4時間半、下り時間~3時間半程度の行程です。
祓川の駐車場から歩きだすといきなり竜ヶ原湿原の絶景で、山頂部を眺める開けた湿原を木道で抜けていきます。
竜ヶ原湿原脇には祓川山荘(祓川ヒュッテ)があり、夏山シーズンには有人管理(有料/2階に寝泊まりします)ですが、基本は簡易宿泊施設、避難小屋なので、素泊まり、自炊となります。

竜ヶ原湿原を抜けた先が祓川神社で、七高山溶岩流の末端の崖下から湧き出す湧水があります(真夏でも水温は4度という低温)。
宗教登山時代にはこの冷水で水垢離(みずごり)し、身を清めて登拝したのです。
昭和58年までは村上浅吉さんが神社を守り、夏山シーズンには宿泊所を営んでいましたが、現在はその遺志を継ぎ、祓川神社の会が夏山シーズン前(7月)に神社を組み立て、降雪前に解体しています。

ゴールデンウィーク頃には道路の除雪が終わり、車道も開通しますが、夏の初めまで雪渓歩きの連続となるので、アイゼンが必要(中級者以上の領域です)。
また夏場も雪渓歩きが多いコースなので、落石やガス(霧)の際のルート確保、冷え防止に注意が必要。

タッチラ坂(タッチラ=ダケカンバ)を抜けると6合目・賽の河原で、その名の通り、愛児を失った親達が子供の冥福を祈って小石を積み上げた小さなケルンが林立しています。

山頂を見上げながらの登りが続きますが、賽の河原からは雪渓が連続(7月中旬までは登山道の半分以上が雪渓)。
7合目・御田(おだ)は、神の苗田と呼ばれる池塘群と雪渓が続きます。
付近の雪渓ではサマースキーを楽しむことができ、晴天の日にはスキーをする人の姿を見かけます。

8合目・七ツ釜(七ツ釜避難小屋)は、渓流の川底が七つの滝壺をつくり出すのが名の由来で、雪渓(大雪路)を登り詰めると9合目・氷ノ薬師に到達します。
雪渓(大雪路)はガス(霧)の日にはルートを失わないように注意が必要。
氷ノ薬師からさらに溶岩原を抜け山頂へは徒歩1時間15分。
頂上参籠所へはさらに30分ほど必要です。

雨上がりにはブヨも多いので虫除け対策、そして日除け対策は万全に。

鳥海山・矢島口登山道(祓川ルート)
6合目・賽の河原、ファミリーならここで折り返すプランも

鳥海山・矢島口登山道(祓川ルート) コースタイム

祓川〜(徒歩1時間30分)〜七ツ釜(七ツ釜避難小屋)〜(大雪路経由・徒歩40分)〜氷ノ薬師〜(徒歩1時間15分)〜七高山〜(徒歩30分)〜頂上参籠所(御室小屋)〜(徒歩25分)〜新山

鳥海山・矢島口登山道(祓川ルート)
名称 鳥海山・矢島口登山道(祓川ルート)/ちょうかいざん・やじまぐちとざんとう(はらいがわるーと)
所在地 秋田県由利本荘市矢島町元町・山形県飽海郡遊佐町吹浦
関連HP 鳥海国定公園観光開発協議会公式ホームページ
電車・バスで 由利高原鉄道矢島駅からタクシーで50分
ドライブで 日本海東北自動車象潟ICから約26kmで祓川駐車場
駐車場 祓川駐車場(60台/無料)
問い合わせ 由利本荘市矢島総合支所産業課 TEL:0184-55-4953
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

鳥海山

山形、秋田両県にまたがる標高2236m(新山山頂)のコニーデ火山(山頂一帯は山形県遊佐町)の鳥海山。山頂と、山麓の吹浦(ふくら)と蕨岡には鳥海山大物忌神社(ちょうかいさんおおものいみじんじゃ)が祀られ、出羽国一宮として崇められてきました。日

竜ヶ原湿原

竜ヶ原湿原

秋田県由利本荘市、鳥海山・矢島口登山道(祓川ルート)の5合目・祓川(はらいかわ)の上部にある高層湿原が、竜ヶ原湿原(りゅうがはらしつげん)。一周2kmの散策路が整備され、湿原内は木道で探勝できます。祓川(矢島口5合目)までは車道が通じており

 

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