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甲斐奈神社(春日居)

甲斐奈神社(春日居)

山梨県笛吹市春日居町にある古社が、甲斐奈神社。甲斐奈神社は山梨県内に笛吹市内の一宮町、春日居町、甲府市と3社ありますが、そのうち春日居町の国府(こう)にある甲斐奈神社は、古代には、国庁近くに建立された甲斐国の総社ではなかったかと推測される神社です。

甲斐国の総社といわれる春日井町国府地区の古社

総社とは古代に甲斐国の国庁に赴任した国司が、国内の神社を巡拝する代わりに、神々を集めて祀った神社を用意したもの。
一宮町の甲斐奈神社も総社の可能性がありますが(甲斐国総社論社)、春日居町の方は、鎮座地の地名が国府であることもその論拠のひとつとなっています。

天平年間(729年〜749年)に、国司・田邊史廣足が、総社として、峡之神社(かいのじんじゃ)を設立したのが始まりと伝えられ、社名の「甲斐奈」は、「甲斐の」意。
つまり、甲斐のルーツは、峡(かい)で、山と山の間ということに。

ただし、総社の誕生(国司の国内巡拝の簡略化)は、全国的には平安時代になってからと推測されるので、神社創建が史実だとしても田邊史廣足が創建したのは総社ではなかった可能性もあります。

甲斐国一之宮=浅間神社(笛吹市一宮町)、二之宮=美和神社(笛吹市御坂町)、三之宮=玉諸神社(甲府市/塩山市にも論社があります)、そしてここ甲斐奈神社が四之宮とされています。
「守之宮」、「守宮大明神」と別名がありますが、これは四之宮が訛ったため、あるいは「国守の宮(こくしのみや=総社)」の転訛という説があります。

ちなみに、甲斐国の国府は、平安時代中期編纂の『和名類聚抄』(わみょうるいじゅしょう)には、「国衙在八代郡」と記され、笛吹市御坂町国衙付近に比定されています。
ただし、春日居町国府には、古代寺院(寺本廃寺)が発掘されており、もともとは春日居にあった国府が後に御坂町に移ったとも推測でき(江戸時代の萩原元克『甲斐名勝志』でそう説明されています)、甲斐奈神社が春日居と御坂にある理由も説明が付きます。

甲斐奈神社(春日居)
名称 甲斐奈神社(春日居)/かいなじんじゃ(かすがい)
所在地 山梨県笛吹市春日居町国府361-1
関連HP 笛吹市観光物産連盟公式ホームページ
電車・バスで JR春日居町駅から徒歩20分
ドライブで 中央自動車道一宮御坂ICから約5km
駐車場 20台/無料
問い合わせ 笛吹市観光商工課 TEL:055-261-2034
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

甲斐奈神社(一宮町)

甲斐奈神社は山梨県内に笛吹市一宮町、春日居町、そして甲府市と3社あり、そのうち一宮町にある甲斐奈神社は、周辺に甲斐国一之宮である浅間神社(あさまじんじゃ)や甲斐国分寺跡、甲斐国分尼寺跡があることなどから、古代には甲斐国の総社ではなかったかと

 

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